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「有報の総会前開示」をめぐる会社法改正議論の現在地
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水越恭平
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対ロシア制裁の最新動向(日本・米国・EU)(2022年3月)
※本ニュースレターは情報提供目的で作成されており、法的助言ではありませんのでご留意ください。また、本ニュースレターは発行日(作成日)時点の情報に基づいており、その時点後の情報は反映されておりません。特に、速報の場合には、その性格上、現状の解釈・慣行と異なる場合がありますので、ご留意ください。
ロシアがウクライナに対する全面的な軍事侵攻を開始したことに対応し、各国が相次いで対ロシア経済制裁措置を発表したことについては、当事務所の米国最新法律情報No.69/欧州最新法律情報No.8で説明をさせていただいたとおりです。本ニュースレターでは、紙面の都合で前号ではカバーできなかった、米国商務省産業安全保障局(the US Commerce Department’s Bureau of Industry and Security)(BIS)が2022年2月24日に発表した、ロシアに対する輸出管理を厳格化する、輸出管理規則(Export Administration Regulations)(EAR)の改正※1の概要を解説いたします。
ロシアに対する輸出、再輸出、移転に許可が必要な品目として、Commerce Control List(CCL)におけるカテゴリーが3~9の品目が新たに指定されました※2。対象となる品目は、エレクトロニクス(カテゴリー3)、コンピュータ(カテゴリー4)、通信及び情報セキュリティ(カテゴリー5)等幅広なものとなっています(なお、いわゆる「みなし輸出」又は「みなし再輸出」には適用されません。)。また、ロシアに対する輸出許可は、policy of denial(原則不許可)というより厳しい基準で判断されることになりました※3(航空・海運安全に関連するもの、人道支援目的のもの等については、policy of denialではなくケース・バイ・ケースで判断されるものもあります。)。以下の2及び3で説明する規制に該当する場合も、同様にpolicy of denialが適用されます※4。加えて、ロシア関連の輸出等について適用される許可例外の範囲も非常に狭いものになっています※5。
上記で新たにロシアへの輸出等が規制されることになった品目は、一定程度の米国原産品を含む外国製品について輸出許可を必要とするデミニマスルール(EARにおいて規制される米国原産品を25%超含む外国製品をロシア等に国に対して輸出等する場合には、一定の例外を除いてBISの許可が必要となる)との関係でも考慮されることになります。もっとも、日本、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、英国及びEU加盟国を含む一定の国(ロシアに対するFDPルールと同様の輸出規制を採用することにコミットしている国)からの輸出等については、問題となる米国原産品がECCNにおいてAT(anti-terrorism)のみの理由で規制されている又はECCN 9A991に該当する場合には、上記のデミニマスルールの適用にあたって上記で新たに規制対象となった品目は考慮されないものとされています※6。
輸出等の対象品目が特定の軍事エンドユーズ(military end use)で使用される又は軍事エンドユーザー(military end user)によって使用される場合の輸出を禁止する規制についても変更が加えられ、ロシアに関して、改正後は、EAR99に該当する食品及び医薬品並びに一定のマスマーケット暗号コモディティ及びソフトウェアを除いて、EARで規制される全ての製品が対象となりました※7。
外国製直接製品ルール(foreign-produced direct product rule)(FDPルール)においては、EAR上規制されている米国原産の技術・ソフトウェアの直接製品、又は、当該技術・ソフトウェアの直接製品であるプラント若しくはこれを主要な構成部分とするプラントにより製造された外国製品の、米国外から特定の国又はエンドユーザーへの輸出について、BISの許可が必要とされます。以下のとおり、今回のEARの改正によってロシア関連の輸出等についてより厳しいFDPルールが適用されることになりました。もっとも、日本、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、英国及びEU加盟国を含む一定の国からの輸出等については、以下のルールは適用されないものとされています※8。また、従前許可例外の対象であったものや再輸出等に許可が不要であったものについては、2022年3月26日までの間に輸送ルートに乗っているものについては、輸出等を行うことができるとされています。
本ルールでは、EARの対象となる一定の米国原産の技術・ソフトウェアの直接製品であるか、又は、当該技術・ソフトウェアの直接製品であるプラント若しくはこれを主要な構成部分とするプラントにより製造された外国製品(EAR99に該当するものを除く)が規制対象となり、上記の一定の技術・ソフトウェアに該当するものとしては、CCLカテゴリー3~9のうち、製品グループがD(ソフトウェア)又はE(テクノロジー)であるものが指定されています。規制対象品がロシアを仕向地とするものである、又は、EAR99に該当せずロシアにおいて生産される又はロシアを仕向地とする、部品、構成品若しくは設備に組み込まれる又はその生産若しくは開発に使用されることの認識※10がある場合、BISの許可が必要とされます。なお、これまで規制対象でなかった製品については、2022年3月26日まで輸出等を継続することが可能です。
本ルールは、EARのエンティティリスト(Entity List)の脚注3において指定される一定の軍事エンドユーザーに対して適用があります。また、本ルールが適用される品目は、EARの対象となる米国原産の技術・ソフトウェアの直接製品のうち、全てのCCLカテゴリーについて製品グループがD(ソフトウェア)又はE(テクノロジー)であるもの、又は、当該技術・ソフトウェアの直接製品であるプラント若しくはこれを主要な構成部分とするプラントにより製造された外国製品とされており、一定のCCLに該当する技術・ソフトウェア等に限定されていないため、ロシアFDPルールよりも対象となる米国原産技術・ソフトウェアの範囲が広くなっています。指定された軍事エンドユーザーが、購入者や荷受人、エンドユーザーとして取引当事者となる場合、又は、製品が当該軍事エンドユーザーにおいて生産、購入又は注文される部品、構成品若しくは設備に組み込まれる又はその生産若しくは開発に使用されることの認識がある場合、当該製品の輸出等についてBISの許可が必要とされます。本ルールにおいて許可が要求される製品については、許可例外の範囲はロシアFDPルールよりも非常に狭くなっています。
EAR99に該当するもの及びインターネットにおける通信に必要なソフトウェアを除く、EARの対象となる全ての品目について、いわゆるドネツク人民共和国及びルハンスク人民共和国を含むウクライナの一定地域への輸出等についてBISの許可が必要とされるようになりました※12。同様の規制は、これまでクリミア地域への輸出等についても適用されていました。
ロシアによるウクライナ侵攻に起因して、ロシアに関わる取引についての規制の厳格化が続いておりますので、引き続き、状況及び規制の変化に注視する必要があります。
※2
EAR 746.8(a)(1)
※3
EAR 746.8(b)
※4
EAR 744.21(e)、746.8(b)
※5
EAR 746.8(c)
※6
EAR 746.8(a)(5)
※7
EAR 744.21
※8
EAR 746.8(a)(4)
※9
EAR 734.9(f)
※10
「認識」(knowledge)とは、実際の認識に限定されず、知ることについて理由のある場合や、合理的な人であればそのような結果となると信じる事実を意図的に無視する場合も含まれます(EAR 722.1)。
※11
EAR 734.9(g)
※12
EAR 746.6(a)(2)
本ニュースレターは、各位のご参考のために一般的な情報を簡潔に提供することを目的としたものであり、当事務所の法的アドバイスを構成するものではありません。また見解に亘る部分は執筆者の個人的見解であり当事務所の見解ではありません。一般的情報としての性質上、法令の条文や出典の引用を意図的に省略している場合があります。個別具体的事案に係る問題については、必ず弁護士にご相談ください。
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