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The Legal 500: 5th Edition Doing Business In Country Comparative Guide – Japan
(2026年4月)
西村修一、大沼真、遠藤努、東野拓雄(共著)
- コーポレート
- コーポレートガバナンス
- 一般企業法務
Publication
※本ニュースレターは情報提供目的で作成されており、法的助言ではありませんのでご留意ください。また、本ニュースレターは発行日(作成日)時点の情報に基づいており、その時点後の情報は反映されておりません。特に、速報の場合には、その性格上、現状の解釈・慣行と異なる場合がありますので、ご留意ください。
タイには医薬品・医療機器の製造・販売に従事する日系の事業者が既に多く進出しているが、タイにおける事業展開にあたっては、各種産業や製品毎に課される業法上の規制を遵守していることに加えて、外国人に包括的に適用される外資規制を遵守していることも肝要である。そこで、医薬品や医療機器の製造・販売を行うにあたって適用されうる外資規制について、本稿により概観したい。
タイにおける外資規制は、大要、以下の2つの法令にて規律されている。
土地保有に関する規制は、本稿の内容からはやや関連性の薄い内容となるため、本稿では外国人事業法に基づく事業に関する規制を中心に解説を行う。
外国人事業法に基づく外資規制を検討するにあたり、①外資規制の対象になる者は誰か、②外資規制の対象になる事業は何かを確認する必要がある。
外国人事業法の規制対象となる「外国人」は、以下の者が含まれる。
外資規制の対象となるか否かは、当該事業が製造業か、サービス業かで整理すると分かりやすい。製造業は、原則として外資規制の対象外であるが、サービス業は、原則として外資規制の対象となる。
医薬品・医療機器の製造:
製造業は上記の通り、原則として外資規制の対象とならない。但し、一般的な感覚に照らせば、「製造業」又はそれに関連する事業として捉えられるような事業も、タイの外資規制の解釈においては、製造業ではなく、「サービス」であると捉えられて、外資規制の対象となるものと当局に判断されている事業もあるため、注意が必要である。
例えば、以下の事業は外資規制の対象になるものとして解されている。
受託製造:特定の顧客の指示にしたがって、製品を加工・製造し、当該顧客に対して完成品を提供する事業。当該事業は、特定の顧客の要望に従って、製品を加工・製造するため、当該顧客に対する「サービス」として扱われる。
医薬品・医療機器の販売:
タイの外資規制上、販売事業は、サービス業として扱われる。サービス業は上述の通り、原則として外資規制の対象となるため、医薬品・医療機器の販売も原則として外資規制の対象になる。そのため、医薬品・医療機器の販売に従事する者は、通常、何らかの外資規制への対応を行っている。具体的には、以下のいずれかの対応が採られていることが一般的である。
上述の受託製造は、一般的な感覚からすれば、「製造業」に該当するものと思われるため、特段手続を行う必要は無いと誤信し、FBLを取得する等の外資規制対応を行わないまま、事業を継続している者は多い。
2024年は(特に前半は)、このような事業者に対する警察による摘発が散見された。
現状、当職らが把握する限り、自動車部品を製造している事業者に対する摘発が多いように見受けられる。また、警察による摘発も2024年の前半に比すると、2025年の年始はやや落ち着いており、警察の取り締まり強化の状況も一段落したかのように思われる。
しかしながら、同様の規制は医薬品や医療機器の受託製造にも当てはまる。特に、医療機器は、顧客の注文にあわせて製造することを通常業務に組み込んでいる場合も多いため、留意が必要である。
なお、受託製造に該当する事業に従事している場合も、タイ投資委員会(BOI)から当該医療機器の製造に関する投資恩典を取得している場合、当該投資恩典を利用して商務省許可(外国人事業許可・FBC)を取得することができる。FBCの場合、取得に遡及的効力が認められるため(投資恩典を取得したタイミングまで、FBC取得の効果が遡るため)、警察等により外資規制違反の指摘を受けた場合も、FBCを取得することにより瑕疵を遡及的に治癒することができ、責任追及を免れることができる可能性がある。
以上の通り、医薬品や医療機器に関する事業に適用のある外資規制を概観したが、特に製造業は、外資規制の適用がないものとして、「外国人」のステータスにて事業に従事している場合が多い。そのため、従事している事業に製造業ではなく、「サービス業」として判断されるものが含まれている場合はトラブルに発展するおそれがある。このことから、既に医薬品・医療機器の製造に従事している者は、「サービス業」として判断されるような事業形態はないか、仮にあると判断される場合も、適切な対応がなされているかを再度確認しておくことは有益と考える。
本ニュースレターは、各位のご参考のために一般的な情報を簡潔に提供することを目的としたものであり、当事務所の法的アドバイスを構成するものではありません。また見解に亘る部分は執筆者の個人的見解であり当事務所の見解ではありません。一般的情報としての性質上、法令の条文や出典の引用を意図的に省略している場合があります。個別具体的事案に係る問題については、必ず弁護士にご相談ください。
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