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ベトナム:不動産の電子管理について
(2026年3月)
安西信之助
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※本ニュースレターは情報提供目的で作成されており、法的助言ではありませんのでご留意ください。また、本ニュースレターは発行日(作成日)時点の情報に基づいており、その時点後の情報は反映されておりません。特に、速報の場合には、その性格上、現状の解釈・慣行と異なる場合がありますので、ご留意ください。
メッセージや写真、動画をリアルタイムで交換するSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は、友人間やコミュニティ内での便利なコミュニケーション・ツールとしてはもちろん、今日では企業のPR活動にも積極的に取り入れられており、現代社会のさまざまな活動において不可欠なプラットフォームを形成している。同時に、SNSを介したプライバシー侵害、ネットいじめ(サイバー・ブリイング)、フェイク・ニュースなど数々の弊害が社会問題化しているところであり、とりわけ精神的に未成熟な子どもたちへの悪影響が指摘されている。こうした中で、諸外国においては、子どもによるSNSの利用を制限しようとする動きも見られる。例えば、フランスでは2023年に成立した法律により、SNS事業者は、15歳未満の子どものユーザー登録に際して親権者の同意を取得すべきことが義務付けられた。オーストラリアでは、16歳未満の子どもによるSNSの利用を禁止する法律が2024年11月に成立しており、成立後12か月以内に施行される。
インドネシアにおいてもSNSの子どもたちへの悪影響は大きな社会問題となっており、ネット上での児童ポルノ被害など深刻な人権侵害事案も報告されている。インドネシア政府は、2025年3月27日、子どもの保護にかかる電子システムの運営管理に関する政令2025年第17号(以下「本政令」という。)を制定し、オンライン・サービスの利用に伴うリスクから子どもたちを保護する施策を打ち出した。
本政令は、インターネットに接続して用いるサービス、製品又は機能であって、子ども向けにデザインされ、又は子どもがアクセスし、利用することのできるもの(以下「対象オンライン・サービス等」という。)を規制の対象としている。そのため、SNSにとどまらず、オンライン・ゲーム、Eコマース・プラットフォーム、教育アプリやストリーミング・サービスまで、子どもによるオンライン利用が想定されるサービスが広く本政令の規制対象となると解される。
本政令で保護の対象となる子どもは、18歳未満の者である。また、規制対象となる電子システム事業者は、電子システムを自己又は他人の用に供する個人、法人及び政府機関と広く定義されている。そのため、インドネシア国外の事業者であっても、インドネシアの子どもに向けて対象オンライン・サービス等を提供している者は、電子システム事業者として本政令の規制対象となりうると解される。
電子システム事業者は、対象オンライン・サービス等の提供にあたって、以下の施策を講じなければならない。
電子システム事業者は、対象オンライン・サービス等について、子どもに与えるリスクの度合いに応じ、高リスク又は低リスクに分類しなければならない。リスク評価にあたっては、次の各要素を考慮する。
上記のうち一つでもリスクが高い要素が認められる場合には、当該対象オンライン・サービス等は高リスクに分類される。リスク評価は、電子システム事業者が自己評価により行い、評価結果を通信・デジタル省に提出しなければならない。通信・デジタル省は、電子システム事業者が提出した評価結果を検証して、当該対象オンライン・サービス等のリスクレベルを決定する。
電子システム事業者は、子どもが対象オンライン・サービス等を利用するにあたっては、事前に親権者から同意を取得しなければならない。同意は、親権者が透明性の確保された状態で、完全な情報の提供を受けて、能動的に付与されたものでなければならない。同意の提供が拒否された場合、電子システム事業者は、取得した子どもの個人情報を廃棄しなければならない。
同意取得の方法は、子どもの年齢に応じて以下の方法によることが認められている。
電子システム事業者は、次の行為をしてはならない。
本政令の違反に対しては、次の行政処分の一つ又は複数が課される。
また、通信・デジタル省は、違反した電子システム事業者に行政処分を課した事実を公表する権限がある。
本政令は制定日から施行されているが、2年間の移行期間が設けられている。電子システム事業者は、かかる移行期間中に本政令に準拠した体制を整備することが求められている。
本ニュースレターは、各位のご参考のために一般的な情報を簡潔に提供することを目的としたものであり、当事務所の法的アドバイスを構成するものではありません。また見解に亘る部分は執筆者の個人的見解であり当事務所の見解ではありません。一般的情報としての性質上、法令の条文や出典の引用を意図的に省略している場合があります。個別具体的事案に係る問題については、必ず弁護士にご相談ください。
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