(1) 今般の与党大綱に至るまでの経緯・背景
令和5年度税制改正において、親会社が保有する完全子会社の持分を一部(20%未満)残したスピンオフ(パーシャルスピンオフ)について、2023年4月1日から2024年3月31日までの間に産業競争力強化法の事業再編計画の認定を受けることを要件とする1年間の時限措置として、適格組織再編同等に扱われることになった(認定株式分配と呼ばれる)(税務ニュースレターNo.19参照)。その後、令和6年度税制改正において、適用期限が2028年3月31日まで延長されるとともに、スピンオフされる完全子会社が主要な事業として新たな事業活動を行っていることといういわゆる「新事業活動要件」が加えられることになった(税務ニュースレターNo.25参照)。新事業活動要件はパーシャルスピンオフ税制がスタートアップ創出のための措置と位置づけられたことを踏まえたものであると思われる一方※1、安定的な事業収益が直ちに見込まれないスタートアップをスピンオフし上場させることは現実には想定されにくく、パーシャルスピンオフ税制の利用を困難にするものであるなどといった批判もあったところ、現に本ニュースレターの発行日である2025年12月26日時点で令和6年度税制改正後にパーシャルスピンオフに係る事業再編計画の認定を受けたものは存在しなかった※2。