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【From New York Office】米国における自己株式取得課税に関する最終規則の公表
大久保涼、加藤嘉孝(共著)
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「令和8年度税制改正大綱」につきましては以下もご参照ください。
※本ニュースレターは情報提供目的で作成されており、法的助言ではありませんのでご留意ください。また、本ニュースレターは発行日(作成日)時点の情報に基づいており、その時点後の情報は反映されておりません。特に、速報の場合には、その性格上、現状の解釈・慣行と異なる場合がありますので、ご留意ください。
与党による令和8年度税制改正大綱(「本大綱」)の解説の第5弾として、防衛増税(防衛力強化に係る財源確保のための税制措置)関係(136頁)につき、源泉徴収の廻りに焦点を当てて、簡潔に触れたいと思います。第1弾から第4弾までのトピックと比べれば、極めて地味なものではありますが、実務上は重要なところです。
令和8年度税制改正により、「防衛特別所得税」を創設する改正が行われます。この改正は、昨年の令和7年度税制改正では、政治状況ゆえに見送られていたところです。
この改正は、要するに、以下のようなものです:
(注1)上記(1)の改正は、令和9年分以後の所得税等について適用する。
(注2)令和8年度税制改正後も、東日本大震災からの復旧・復興に要する財源については、引き続き責任を持って確保する。
租税法務の実務家として、所得税につきこの種の付加税としての増税がある場合に最も気になる点は、源泉税の税率です。特に、資本市場・金融関係の取引案件では、課税関係の開示書面を正確に書く必要があるため、この点が重要となってきます。源泉税の税率は、日本国内の取引だけの問題ではなく、非居住者・外国法人が関係するクロスボーダー取引(外債発行やグローバルオファリング案件など)においても当然ながら問題となります。また、当職らの職責外ですが、源泉税率の変更がありますと、取引に係る各種システムの改修等々も必要となります。
この点は、もう今や昔となりますが、復興特別所得税が導入された際に表面化しました。従前は、金融取引関係の源泉税率といえば、15%や20%といったキリのいい数字だけ頭に置いておけばよかったのですが、2013年から復興特別所得税が課されることとなり、その準備段階から、同税を考慮に入れた源泉税率をどのように正確に記載すればよいのかという点が一応は検討されました。
結論としては、現状の実務もそうですが、現行の復興特別所得税の税率(所得税額の2.1%)を源泉所得税の税率に織り込んで表記した、15.315%(源泉所得税15%および復興特別所得税0.315%)、20.315%(源泉所得税15%および復興特別所得税0.315%ならびに住民税5%)や20.42%(源泉所得税20%および復興特別所得税0.42%)などといった、小数点以下を含む見慣れない数字での記載がなされることになりました。今や、これらの数字は、もはやお馴染みのものとして実務に定着していると思います。同様に、個人の申告所得税についても、いわゆる限界税率としては、55.945%という数字(所得税45%、復興特別所得税0.945%および住民税10%)が定着していると思います。
そのような中で、所得税率に変更がありますと、また源泉税率が変わるのは面倒だな、との思いがあるわけですが、結論としては、当面は(=令和29 年(2047年)末までは)、トータルでの源泉税率は上記のままで変更はないことになります。すなわち、防衛特別所得税が1%課される(プラス)代わりに、復興特別所得税が1%減って(マイナス)1.1%となるので、トータルでの2.1%は変わらないということです。本大綱には明言などはありませんが、この措置は、源泉税率を変更することの実務的な煩雑さに配慮したものであるともいえるのかもしれません。
とはいえ、以下の各点については、実務対応として、現状の記載を変更する必要があるものと考えられます:
以上を踏まえますと、例えば、現状において源泉税率につき「15.315%(源泉所得税15%および復興特別所得税0.315%)」となっている記載については、
のようになると考えられます。
上記③の場合については、そもそも足下の案件の開示で20年超も後の将来のことを書くのかという問題もあるかもしれませんが、2013年の復興特別所得税の導入当時に2038年以後のことを書いていたのであれば、書いてもおかしくはないし、無用な疑義が予め解消されるという見方もあり得るかと思われます。また、仮に上記③のとおりとなれば、また新たな源泉税率(15.15%)が出現することになり面倒だ、ということになろうかと思われますが、それが問題となるころには、また別途改正が入っているかもしれません(し、当職ももはや弁護士としてこの点を追いかけているということはないかもしれません。)。
※1
より正確には、将来において別途立法上の措置が講ぜられるまではそのまま存続し効力を有するということになります(法制執務研究会編「新訂 ワークブック法制執務 第2版」784頁)。
本ニュースレターは、各位のご参考のために一般的な情報を簡潔に提供することを目的としたものであり、当事務所の法的アドバイスを構成するものではありません。また見解に亘る部分は執筆者の個人的見解であり当事務所の見解ではありません。一般的情報としての性質上、法令の条文や出典の引用を意図的に省略している場合があります。個別具体的事案に係る問題については、必ず弁護士にご相談ください。
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