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データセンター開発とワット・ビット連携の加速に向けた「GX戦略地域制度」の本格始動

著者等
渡邉啓久中翔平(共著)
出版社
長島・大野・常松法律事務所
書籍名・掲載誌
NO&T Infrastructure, Energy & Environment Legal Update ~インフラ・エネルギー・環境ニュースレター~ No.54(2026年1月)
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※本ニュースレターは情報提供目的で作成されており、法的助言ではありませんのでご留意ください。また、本ニュースレターは発行日(作成日)時点の情報に基づいており、その時点後の情報は反映されておりません。特に、速報の場合には、その性格上、現状の解釈・慣行と異なる場合がありますので、ご留意ください。

1. はじめに:GX戦略地域制度の始動

 経済産業省は、現在、今年2月13日を期限として、新たに創設された「GX戦略地域」の公募(以下「本公募」といいます。)を実施しています。この制度は、昨年2月に閣議決定された「GX2040ビジョン~脱炭素成長型経済構造移行推進戦略 改訂~」(以下「GX2040ビジョン」といいます。)において示されたGX産業立地政策の具体化として創設されたものです。コンビナート跡地等の産業資源や地域に偏在する脱炭素電源等を核として、GX型の産業集積やワット・ビット連携を促進すべく、地域選定を行う3類型と事業者選定を行う1類型の計4類型を設け、それぞれ地域・事業者に対する支援を実施することで、新たな産業クラスターを創り出すことが企図されています。

GX戦略地域制度の全体像
方式 類型 概要 支援の方向性
地域選定 ① コンビナート等再生型 コンビナート跡地等を有効活用し、産業クラスターを形成 自治体・企業が計画策定・参画した上で、国が地域を選定し、支援と規制・制度改革(国家戦略特区制度とも連携)を一体的に措置する
② データセンター集積型 電力・通信インフラ整備の効率性を踏まえたDC集積及びそれを核とした産業クラスターを形成
③ 脱炭素電源活用型(GX産業団地) 脱炭素電源を活用した団地を整備し、当 該電源を核とした産業クラスターを形成
事業者選定 ④ 脱炭素電源地域貢献型 脱炭素電源を活用し、当該電源の立地地域に貢献する事業者の設備投資を後押し 脱炭素電源を活用する事業者支援を行う

(出典:内閣官房GX実行推進室「GX戦略地域制度を通じたGX産業クラスターの創出-中間とりまとめ-」12頁を元に筆者ら作成)

 本公募の実施に先立って、2025年8月から2ヶ月間、提案募集が実施されました。提案募集に対しては、自治体及び事業者から合計199件の提案が寄せられましたが、中でも「② データセンター集積型」に対する提案は90件にも上り※1、データセンター(DC)を核とする新たな産業クラスターの創設に向けた関心の高さが鮮明になりました。

2. ワット・ビット連携とは何か?

(1) ワット・ビット連携の意義

 ワット・ビット連携は、電力供給(ワット)と通信インフラ(ビット)の効果的な連携を意味する用語です。AIの急速な普及や通信トラフィックの増大に伴い、データセンターを中心とするデジタルインフラへの需要が爆発的に拡大し、日本の経済安全保障や国際競争力維持の観点からも、デジタルインフラの整備をいかに迅速・効率的に進めて行くかが極めて重要な課題となっています。

 大量の電力を消費する大規模データセンターの整備促進にあたっては、従来のように、電力供給(ワット)と通信インフラ(ビット)の整備を別々に進めるのではなく、電力・通信・データセンター分野の各事業者が計画段階から一体的に対応することが重要と認識されています。特に、電力インフラの整備は、一般に、通信基盤の整備よりも時間・コストがかかることが想定されることから、まずは電力インフラからみて望ましい場所や地域への立地を促進させ、その際に必要となる次世代の通信基盤についても、それと整合性をもって計画的に整備を図ることが、政府の今後のデータセンター整備のあり方の基本とされています※2

(2) 「デジタルインフラ(DC等)整備に関する有識者会合」から「ワット・ビット連携官民懇談会」へ

 総務省及び経済産業省は、「デジタルインフラ(DC等)整備に関する有識者会合」を開催し、累次にわたるとりまとめ(直近は2024年10月の「中間とりまとめ3.0」)により、デジタルインフラの整備に向けた施策の早急な検討の必要性を示してきました。昨年3月からは「ワット・ビット連携官民懇談会」が開催され、データセンターの立地のあり方について、主に電力インフラと通信インフラの効率的な活用・整備の側面から、インフラ整備や技術開発の進展等の時間軸を踏まえた官民での議論が行われてきました。その成果として、昨年6月には、電力・通信・DC事業者の連携によるインフラ整備のあり方をまとめた「ワット・ビット連携官民懇談会取りまとめ1.0」(以下「取りまとめ1.0」といいます。)が公表されています。

(3) ワット・ビット連携官民懇談会「取りまとめ1.0」の概要

 取りまとめ1.0は、ワット・ビット連携の実現に向けたステップを、①足元のDC需要への対応、②新たなDC集積拠点の実現、③DC地方分散・高度化の推進の3つの段階に分けた上で、具体的に取り組むべき事柄を示すとともに、地域との共生・環境への配慮※3や国際的視点の考慮※4も要請しています。

 GX2040ビジョンにおいても、DC整備を加速するための政策的支援のあり方として、まずは既存の設備(通信局舎、電力インフラ、工場跡地など)が活用可能な場所での整備促進を進めて行く旨が示されていました※5。将来的にはレジリエンスの観点からもDC集積拠点の地域分散化が必要と考えられますが、当面は、需要地との近接性や電力・通信ネットワークが充実する東京圏・大阪圏への集中傾向が続くと想定される中で、日々高まるAI用途向け等のDCの立地ニーズに迅速に対応するために、まずは足元の需要への対応から徐々に進めて行くべきことが示されたものといえます。

ワット・ビット連携官民懇談会「取りまとめ1.0」の概要
段階 施策の内容
(1) 足元のDC需要への対応 早期に電力供給可能なエリアへのDC立地促進:ウェルカムゾーンマップの拡充等による情報公開促進や、電力系統余力があり早期供給可能なエリアへのDC立地促進
APN研究開発・ユースケースの拡充:既存電力設備の活用を念頭に置いたDCの柔軟な運用に資するAPNの研究開発やユースケース拡充を推進
系統接続の円滑化:真に電力が必要な事業への迅速な電力供給のための系統接続ルール等の見直しによる系統接続の円滑化の検討
技術開発と実装の促進:DCのエネルギー効率を高めるためDCの先進的かつ包括的な省エネ技術の開発・実装促進
(2) 新たなDC集積拠点の実現 GW級DC集積拠点の複数造成:既存のDC集積地に加え、1か所当たりGW級のDC集積拠点を複数造成すべく、その地域選定と電力・通信インフラの先行整備を目指す
地域選定の観点:電力インフラの整備状況・拡張可能性、通信インフラの地中化、冗長性確保可能性、地盤の安定性、土地の広さ等DC運用のための要件、レジリエンスの観点を踏まえた既存の集積拠点からの分散立地を踏まえるものとし、要件の詳細化についての検討は継続する
自治体の関与:地域共生・インフラ整備の観点から自治体の関与が重要
利便性・国際競争力向上:DC集積拠点の形成に際し、段階に応じて国際海底ケーブルやIXの整備も戦略的に進め、利便性や国際競争力の向上を図る
(3) DC地方分散・高度化の推進 DC地方分散の継続促進:経済合理性を踏まえつつ、多様な地域におけるDX推進の基盤となり国土強靱化にも資するDCの地方分散を継続的に促進
既存の電力インフラの有効括用:各DCにおける蓄電池・コジェネ等の整備により、既存の電力インフラをより有効活用する事業環境の可能性を検討
DC運用に関する技術開発等の促進:DCがディマンドレスポンスの一翼を担い既存の電力インフラを更に活用できるよう、電力需給状況・天候予測・計算需要等のデータを連携した高度なワークロードシフト技術を用いた運用の検討を含め、DC運用に関する技術開発等を推進

(出典:ワット・ビット連携官民懇談会「取りまとめ1.0」3頁を元に筆者ら作成)

3. データセンター開発の課題とGX戦略地域の選定・支援の方向性

(1) データセンター集積型のGX戦略地域の選定・審査方法

 昨年12月22日、GXビジョンで示されたGX産業立地政策の具体化を検討してきた「GX産業構造実現のためのGX産業立地ワーキンググループ」は、「GX戦略地域制度を通じたGX産業クラスターの創出―中間とりまとめー」(以下「WG中間とりまとめ」といいます。)を公表し、データセンター集積型のGX戦略地域の選定に向けた具体的な選定基準と支援策を提示しました。

 公募による選定に際して、審査は2段階で実施するものとされます。公募時点では詳細計画を策定することが困難なケースや、候補地具体化の中で潜在的ニーズが見えてくることも想定されるため、 提出時点での計画をベースに有望地域を選定し(第一段階)、②有望地域について、一般送配電事業者等と連携して事業計画を洗練させ、国も必要に応じて計画の洗練サポートを行い、その結果を踏まえて最終的なGX戦略地域を選定する(第二段階)こととされています。有望地域の選定結果の公表は今年春頃を目処に行うものとされ、GX戦略地域の選定結果の公表は今年夏頃を目処に行うものとされています※6

 データセンター集積型のGX戦略地域の選定は、ワット・ビット連携官民懇談会「取りまとめ1.0」で示された「新たなDC集積拠点の実現」を図るものと言えますが、ここでは、10年程度で「新たなDC集積拠点(1GW級)」の整備を進め、当該DC集積を核とした産業クラスターを形成していくことが希求されています※7

 そのため、地域選定に際しては自治体の強いコミットを前提としつつ、現実的にDC集積地の形成が可能であって、DCを活用した競争力強化を実現できる自治体を厳選するものとされます。具体的には、①DC集積の実現に向けて必要な電力・通信等の各種インフラを確保できるか、②既存の集積地から分散立地しているか、③DC事業者が立地し、集積地を形成できる見込みがあるか、④DCを活用して、地域産業の競争力を強化するビジョンを具体的に描けているか等の観点について、外部有識者による審査委員会において総合的に評価し選定するものとされています(詳細は以下の表の通りです。)※8

データセンター集積型の選定要件
番号 大分類 小分類 要件内容
1 インフラ整備に関する観点 必要となるインフラ整備との整合性(電力) 将来的なGW級への拡張可能性があること(例えば10年程度でGW級の供給が可能)、電力供給の立ち上がりスピードが速いこと、供給電圧がDC事業者に適していること、足下の供給余力が大きいこと、整備費用が低廉であることなど
2 必要となるインフラ整備との整合性(通信) 各候補用地付近において通信ネットワークの地中化・冗長性確保の可能性があること、各候補用地付近においてネットワークインフラ(IX、APN等)の整備・増強を含め、国内のアクセス確保の可能性があること(想定するDCの集積規模等に応じた計画の妥当性)、候補地と国内他拠点間のネットワークインフラ(APN等)の整備・増強を含め、国内のアクセス確保の可能性があること(想定するDCの集積規模等に応じた計画の妥当性)、候補地と国外の間でネットワークインフラ(国際海底ケーブル、IX、APN等)の整備・増強を含め、国外のアクセス確保の可能性があること(想定するDCの集積規模等に応じた計画の妥当性)
3 必要となるインフラ整備との整合性(その他ユーティリティ及び地理的特性) 地盤が安定している、災害リスクの低いエリアを確保できること(例:水害、南海トラフ・首都直下地震リスク)
4 必要となるインフラ整備との整合性(その他ユーティリティ及び地理的特性) 十分な産業用地を用意できる見込みがあること(半径10km圏内に、集積地全体で30ha以上(分譲面積)を目処、3年以内の造成完成、更なる拡張が見込まれると望ましい、複数箇所に分かれた土地の合計の場合、1箇所当たり10ha以上(分譲面積)あると望ましい)
5 交通アクセスが良いこと(例:高速道路ICや鉄道駅、国際空港、その他公共交通機関からの距離(km))
6 工業用水をはじめとした水が利用可能であること(例:工業用水道の敷設状況・使用可能量(m3/日))
7 既存のDC集積地から分散立地していること
8 DC事業者とコミュニケーションが取られており、DC事業者のニーズに合った計画になっていること
9 DCの段階的な立地可能性 電力・通信・その他インフラの中長期的な整備計画を踏まえ、DCの比較的早期からの段階的な集積立地の実現可能性が高いこと
10 競争力強化に関する観点 サプライチェーンの安定化・高度化への貢献 産業政策と整合的な形で取組を進めつつ、将来のAIの活用や産業DX等を見据えた地域の絵姿を描けていること
11 脱炭素に関する観点 脱炭素化への貢献 域内への脱炭素電源の更なる供給や脱炭素電力の利用拡大(集積地に立地するDC事業者に活用させることを含む)に向けての計画を有するなど、自治体が脱炭素電源の活用に対して意欲的であること、脱炭素電力の更なる活用に貢献できると見込まれる立地であること
12 地域との連携等に関する観点 自治体等によるコミット 事業障壁となる規制・制度の改革について積極的に取り組んでいること(国家戦略特区に指定されている、又は指定に向けた提案の準備があるなど)、自治体自身によるDCの誘致やその周辺環境整備に向けた検討又は取組を行っていること、一般送配電事業者、通信事業者、不動産事業者、建設事業者等のインフラ関係事業者や地域の学術機関、企業等と連携し、DC集積拠点の形成や地方創生を円滑に進める体制を構築していること
13 地域との共生 近隣の理解を得るための自治体の協力があるなど、地方との共生策が図られていること

(出典:「WG中間とりまとめ」22頁から引用)

(2) 申請に際しての民間事業者の役割

 公募選定の単位は都道府県とされていますので、公募の主たる申請者は、当該都道府県の行政区域の全域又は一部について、GX戦略地域の対象地域となることを希望する都道府県です。ただ、公募申請は、当該都道府県においてDC集積の形成を希望する市区町村や当該計画に関与する事業者等との共同申請も可能です。共同申請者となる市区町村及び事業者等は、計画の全体又は一部について責任を持って関与し、主たる申請主体である都道府県と連携して具体的な取組を実施又は支援する意思を有する者であれば足り、その業種・属性は問いません(但し、一般送配電事業者及び登録電気通信事業者は除外されています。)※9

 各都道府県は、当該都道府県内で複数のDC集積の拠点の候補がある場合には、候補地毎に異なる市区町村や民間事業者と共同申請が可能です※10。また、上記(1)でみた通り、選定要件の中にはデータセンター事業者など民間事業者の意向を直接・間接に考慮すべき点があり(例えば、表内8の「DC事業者とコミュニケーションが取られており、DC事業者のニーズに合った計画になっていること」)、申請書には、拠点候補の立地・誘致についてのデータセンター事業者からの問い合わせ・協議の状況や具体的な事業構想を記載することが求められているため※11、自治体側としては、データセンター事業者と密に連携を取るとともに、候補地毎に民間事業者との共同申請についても前向きに検討していくことが期待されます。

(3) 想定される支援の内容

 公募により選定された申請者に対しては、自治体等の強いコミットを前提として、DC集積地の形成を通じた産業競争力の底上げを実現するために、電力・通信インフラその他インフラの整備促進、DCの利活用施策(=AI関連施策)を一体的に講じるものとされています。今後の予算編成の議論等を経て措置が確定することが前提ですが、具体的な支援として想定されている事項の概要は以下の通りです。

データセンター集積型における支援
大項目 支援項目 概要
電力・通信
インフラ整備
1 先行的・計画的な電力系統の整備 真に必要な系統整備に対し、一般送配電事業者等への運転開始前の貸付等を通じ、先行的・計画的に系統を整備
2 通信インフラの整備支援(①補助率:1/2、②・③補助率:4/5)
  • 支援対象:①海底ケーブル陸揚げ局舎・IX、②国内海底ケーブル、③国際海底ケーブル分岐支線・分岐装置
  • 支援要件:①東京圏・大阪圏以外のもの、②房総・志摩以外に陸揚げされること等
3 APNの活用に係る実証支援 ①APN(オール光ネットワーク)を活用したDXの分散利用・ユースケース創出の実証、②分散DCを活用した余剰電力の有効活用技術の実証
その他
インフラ整備
4 地方分散を目的としたDCの整備支援(補助率:1/2)
  • 支援対象:DC建物、サーバー等
  • 支援要件:東京圏・大阪圏以外に立地すること、海底ケーブルと連携していること、省エネ等の最新技術を導入していること等
5 脱炭素電源を活用するDCの整備支援(補助率:最大1/2)
  • 支援対象:DC建物、冷却設備、受電設備等(※GPU除く)
  • 支援要件:脱炭素電力を100%利用していること、立地自治体への貢献、日本の計算資源分野の競争力強化に資すること等
6 GX推進機構等による出資・債務保証等の金融支援
7 脱炭素電源等の整備支援(補助率:2/3等) DC集積地で使用する脱炭素電源、蓄電池、熱利用設備等の整備を支援
8 工業用水の確保/団地整備に係る支援 DCに対して給水義務のある形で工業用水の供給を可能とする措置、団地整備に関する伴走支援や融資/土地譲渡所得の税制措置を通じた地権者交渉等を円滑化する措置(検討中)
9 その他インフラ整備に係る支援 地域未来戦略本部を通じて各種インフラ整備支援を議論
AI関連政策との連携 10 AI開発・利活用の推進 今後策定予定のAI基本計画に基づき、AIの開発・実証・導入等を支援
全体 11 規制改革要望 必要な規制・制度要望への対応(国家戦略特区制度とも連携)

(出典:「WG中間とりまとめ」23頁を元に筆者ら作成)

4. 最後に:データセンター開発の課題と想定される提案

(1) 申請のポイント:規制・制度に関する提案事項

 公募の申請に際して、申請者は、国に対する規制・制度に関する提案事項を盛り込むことが可能です。具体的には、①データセンターの立地等に関連する規制・制度改革事項及び②地域産業の振興に関連する規制・制度改革事項を記載することが許容されています※12。対象となる規制・制度については、法律に基づく規制・制度に限らず、政省令や通知・ガイドライン等に基づく規制・制度も広く対象となります。また、本制度においては、国家戦略特区との連携も想定されていますので、国家戦略特区に関連する提案・要望を盛り込むことも認められています。但し、国家戦略特区の提案募集と同様に、補助金や税制の要望等、財源措置の支援を求める内容の提案は認められないものとされています※13

(2) 提案事項として想定される事柄

 規制・制度改革要望として想定される事柄には様々な事柄が考えられますが、近時、データセンター開発との関係で取り上げられている問題で筆者らが接する論点も踏まえますと、①立地規制の柔軟化(用途地域における用途制限や農地転用の柔軟化等)、②建築基準法や消防法の運用の明確化・柔軟化(非常用発電機の燃料の保管に関する規制の柔軟化等)、③電力系統の優先的整備※14、④通信インフラの整備(道路占用許可の手続の調整)、⑤行政手続のワンストップ化や迅速化に関する事柄などが想定されるところです。

脚注一覧

※1
ワット・ビット連携官民懇談会WG第5回事務局説明資料(2025年11月)9頁

※2
「GX2040ビジョン」15頁~16頁

※3
安定的なDC立地の促進のため地域資源の一方的な消費ではなく、様々な形で地域社会に裨益することが必要であることから、DC事業者による建設計画や周囲の環境影響について立地地域に対する説明を充実させること、エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律(省エネ法)により新設DCに対するエネルギー効率の基準等を設定し、省エネ技術の開発・社会実装を加速させること等が示されています(「取りまとめ1.0」3頁、14頁)。

※4
DCのグローバルインフラとしての性質を踏まえた国際海底ケーブルの整備を含む国外アクセスの確保、海外市場・経済安全保障・国際標準化など様々なレイヤーで国際的視点を持って取組を加速すべきことが示されています(「取りまとめ1.0」3頁)。

※5
「GX2040ビジョン」16頁~17頁

※6
経済産業省「GX戦略地域の選定に関する公募要領(データセンター集積型)」(2025年12月23日)(以下「公募要領」といいます。)7頁。但し、審査の状況に応じて選定時期は変更される可能性があるとされています(同頁)。

※7
WG中間とりまとめ4頁

※8
WG中間とりまとめ7頁

※9
公募要領2頁

※10
公募要領3頁

※11
公募要領4頁

※12
公募要領5頁

※13
公募要領5頁の脚注3

※14
ワット・ビット連携官民懇談会WG第5回事務局説明資料(2025年11月)では、GX戦略地域の選定にあたっては、選定期間中に、集積候補地の周辺において他の需要家が系統接続の申込を行った場合、最大限の系統余力を集積地において活用できなくなり、段階的な供給や1GWへの到達時期が遅れるなど、選定プロセスや集積地の実現に悪影響を及ぼす懸念があることから、集積地の確実な実現に向け、自治体が小売電気事業者※を介して一般送配電事業者に契約申込を行った上で、自治体がDC事業者を誘致し、事業者が決まれば、電力の契約者を事業者に変更することにしてはどうか、との提案がなされています(同26頁)。

本ニュースレターは、各位のご参考のために一般的な情報を簡潔に提供することを目的としたものであり、当事務所の法的アドバイスを構成するものではありません。また見解に亘る部分は執筆者の個人的見解であり当事務所の見解ではありません。一般的情報としての性質上、法令の条文や出典の引用を意図的に省略している場合があります。個別具体的事案に係る問題については、必ず弁護士にご相談ください。


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