(1) 工業用水道事業法と雑用水供給
工業用水の供給事業に関しては、昭和33年10月24日に施行された工業用水道事業法が規律しています。同法は工業用水道事業を規律する事業法であり、2025年3月現在、全国に146の工業用水道事業者(都道府県や市町村といった行政主体の場合も含みます。)が存在し、供給先数は5,624、給水能力は20,795,000㎥/日に上ります※1。
同法で定義される「工業」は「製造業(物品の加工修理業を含む。)、電気供給業、ガス供給業及び熱供給業」を指し、「工業用水」は「工業の用に供する水(水力発電の用に供するもの及び人の飲用に適する水として供給するものを除く。)」と定義されています(同法第2条参照)。そのため、製造業や電気・ガス・熱の供給業に該当しないデータセンター事業については、工業用水道事業法上、工業用水の供給対象外となります。
もっとも、高度経済成長期を経て、地域における大規模工場の縮小・撤退が進んで工業用水の需要が減少し、工業用水道事業者の経営が厳しくなったという工業用水道事業法制定後の社会事情の変化を踏まえ、かねてから、行政通達により、暫定的な措置として、工業用水道事業法にいう「工業」に該当しない事業に対しても、一定の条件の下で、工業用以外の用途での非飲用水の供給が許容されてきました。これが雑用水の供給と呼ばれる仕組みですが、2025年4月1日現在、この行政通達に基づいて雑用水を供給する事業者は79、供給先の数は953、契約数量は287,000㎥/日に上るとされます※2。通達上の供給ルールは、時代の変遷とともに徐々に緩和されてきましたが、平成26年12月25日付の通達※3では、大要以下の内容が求められています。
| 平成26年12月25日付通達の条件(平成27年4月1日以降に適用) | |
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| 項目 | 概要 |
| (1) 雑用水の供給条件 |
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| (2) 雑用水の供給区域 |
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| (3) 雑用水の供給対象 |
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| (4) 工業用水供給との優劣 |
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データセンターは、「産業の健全な発達に資する施設」(上記(3)③)に該当するものとして、雑用水の供給対象に該当するものと考えられます。なお、経済産業省が工業用水道事業者向けに実施したアンケート(2025年10月)によれば、既に7の工業用水道事業者がデータセンター向けに雑用水を供給し、14の事業者が新規建設を予定しているデータセンターからの供給相談を受けていることが明らかになりました※4。