※本ニュースレターは情報提供目的で作成されており、法的助言ではありませんのでご留意ください。また、本ニュースレターは発行日(作成日)時点の情報に基づいており、その時点後の情報は反映されておりません。特に、速報の場合には、その性格上、現状の解釈・慣行と異なる場合がありますので、ご留意ください。
1 はじめに
労働施策総合推進法※1や男女雇用機会均等法※2などを改正する「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律」(令和7年法律第63号、以下「本改正法」といいます。)が2025年6月11日に公布されましたが、その施行日は2026年10月1日とされました※3。本改正法の施行に向けて、厚生労働省は、①職場におけるカスタマーハラスメント(以下「カスハラ」といいます。)及び②就職活動中の学生やインターンシップ生等の求職者等(以下「求職者等」といいます。)に対するセクシュアルハラスメント(以下「就活セクハラ」といいます。)のそれぞれについて、事業主が雇用管理上講ずべき措置等についての指針を定め、2026年2月26日に公表しました。
本ニュースレターでは、カスハラに関する内容を中心に指針の内容を概説するとともに、企業が講ずべき対策のポイントについて解説します。
なお、本改正法の内容については、労働法ニュースレターNo.23・紛争解決ニュースレターNo.32「カスハラ対策が企業の義務に―改正労働施策総合推進法のポイント―」(2025年7月)で詳しく紹介しておりますのでご参照ください。
2 事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(カスハラ指針)
改正後の労働施策総合推進法(以下「改正労働施策総合推進法」といいます。)は、事業主に対して、同法に定める定義に該当するカスハラによって労働者の就業環境が害されることのないよう、労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講ずることを求めています(33条1項)。事業主が雇用管理上講ずべき措置等に関しては、厚生労働大臣が指針を定めるとされており(33条4項)、2026年2月26日、「事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(令和8年厚生労働省告示第51号、以下「カスハラ指針」といいます。)が公表されました。カスハラ指針には、職場におけるカスハラの定義及び事業主が講ずべきカスハラ防止措置の内容について以下のように記載されています。
(1) 職場におけるカスハラの定義
改正労働施策総合推進法33条1項は、以下の3つの要素を全て満たすものを職場におけるカスハラと定義しています。
-
顧客、取引の相手方、施設の利用者その他の当該事業主の行う事業に関係を有する者(以下「顧客等」といいます。)の言動であること
-
その雇用する労働者が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたものであること
-
労働者の就業環境が害されるものであること
上記の定義を前提として、カスハラ指針は、顧客等からの苦情の全てが職場におけるカスハラに該当するわけではなく、客観的にみて、社会通念上許容される範囲で行われたものは、いわば正当な申入れであり、職場におけるカスハラには当たらないことを明示しています。また、障害者から労働者に対して、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成25年法律第65号)で禁止されている不当な差別的取扱いをしないよう求めることや、社会的障壁の除去について配慮を求めること自体は、職場におけるカスハラには当たらず、その実施に伴う負担が過重でないときは、必要かつ合理的な配慮をしなければならないとも記載されています。カスハラ指針においては、カスハラの発生の原因や背景には、商品・サービス・接客等における問題や顧客等とのコミュニケーションの不足などもあると考えられるため、職場においてこれらを幅広く解消していく取組を進めることも重要であるとも指摘されています。このように、顧客等の言動に対しては、カスハラに該当し得る言動に対しては毅然とした対応が求められる一方で、顧客等からの正当なクレームや要望については安易にカスハラと捉えるのではなく、事案に応じて、適切に対応することが求められます。
また、カスハラ指針では、職場におけるカスハラには、店舗及び施設等において対面で行われるもののみならず、電話やSNS等のインターネット上において行われるものも含まれることが明示されています。
ア 「職場」とは
カスハラ指針は、「職場」の定義について、「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(令和2年厚生労働省告示第5号、以下「パワハラ指針」といいます。)や「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(平成18年厚生労働省告示第615号、以下「セクハラ指針」といいます。)における考え方と同様に、事業主が雇用する労働者が業務を遂行する場所を指し、当該労働者が通常就業している場所以外の場所であっても、当該労働者が業務を遂行する場所については、「職場」に含まれるとしています。また、カスハラ指針の内容が審議された労働政策審議会雇用環境・均等分科会において寄せられた意見を踏まえ、取引先の事務所、取引先と打合せをするための飲食店や顧客の自宅等も、当該労働者が業務を遂行する場所であれば幅広く「職場」に該当するとしています※4。
イ 「労働者」とは
カスハラ指針は、「労働者」の定義について、パワハラ指針やセクハラ指針における考え方と同様に、いわゆる正規雇用労働者のみならず、パートタイム労働者、契約社員等いわゆる非正規雇用労働者を含む事業主が雇用する労働者の全てをいうとしています。
ウ 「顧客等」とは
カスハラ指針は、「顧客等」の定義について、顧客、取引の相手方、施設の利用者その他の当該事業主の行う事業に関係を有する者を指すとし、「顧客等」には、今後商品の購入やサービスの利用等をする可能性がある潜在的な顧客や今後取引する可能性のある者も含まれることを明示しました。そして、「顧客等」の具体的な例として、以下の者を挙げています。
-
事業主が販売する商品の購入やサービスの利用をする者
-
事業主の行う事業に関する内容等に関し問い合わせをする者
-
取引先の担当者
-
企業間での契約締結に向けた交渉を行う際の担当者
-
施設・サービスの利用者及びその家族
-
施設の近隣住民
エ 「社会通念上許容される範囲を超えた」言動とは
カスハラ指針は、「社会通念上許容される範囲を超えた」言動とは、社会通念に照らし、当該顧客等の言動の内容が契約内容からして相当性を欠くもの、又は手段や態様が相当でないものを指すとし、この判断に当たっては、当該言動の目的、当該言動を受けた労働者の問題行動の有無や内容・程度を含む当該言動が行われた経緯や状況、業種・業態、業務の内容・性質、当該言動の態様・頻度・継続性、労働者の属性や心身の状況、当該言動の行為者とされる者との関係性等を総合的に考慮することが適当であるとしています。また、「言動の内容」及び「手段や態様」に着目し、総合的に判断することが適当であり、「言動の内容」、「手段や態様」の一方のみが社会通念上許容される範囲を超える場合でもカスハラに該当し得ることに留意が必要であるとしています。
カスハラ指針は、「社会通念上許容される範囲を超えた」言動の典型例として、以下の言動を挙げつつ、これらは限定列挙ではなく、また、個別の事案の状況等によって判断が異なる場合もあり得ることに留意すべきであるとしています。
|
言動の内容が社会通念上許容される範囲を超えるもの
|
-
要求に理由がない又は商品・サービス等に全く関係のない要求(性的な要求や労働者のプライバシーに関わる要求)
-
契約内容を著しく超えたサービスの提供の要求
-
対応が著しく困難な又は対応が不可能な要求(契約金額の著しい減額の要求)
-
不当な損害賠償要求(商品やサービス等の内容と無関係な不当な損害賠償要求)
|
|
手段や態様が社会通念上許容される範囲を超えるもの
|
-
身体的な攻撃
-
精神的な攻撃(脅迫、中傷、名誉毀損、侮辱、暴言、土下座の強要、盗撮や無断での撮影等。インターネット上への投稿によるものを含む。)
-
威圧的な言動
-
継続的、執拗な言動(同様の質問を執拗に繰り返す、同様の電子メール等を繰り返し送付する等)
-
拘束的な言動(不退去、居座り、監禁)
|
オ 「就業環境が害される」とは
カスハラ指針は、「就業環境が害される」とは、当該言動により労働者が身体的又は精神的に苦痛を与えられ、労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じる等当該労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じることを指すとしており、この判断に当たっては、パワハラ指針と同様に、「平均的な労働者の感じ方」を基準とするとしています。
なお、カスハラ指針は、当該言動の頻度や継続性は考慮するものの、強い身体的又は精神的苦痛を与える態様の言動の場合は、1回の言動でも、就業環境が害する場合があり得るとも記載しています。
(2) 事業主が講ずべきカスハラ防止措置の内容
カスハラ指針は、事業主は、職場におけるカスハラを防止するために、以下の措置を講じなければならないとしています。
|
①事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発
|
-
カスハラには毅然とした態度で対応し、労働者を保護する旨の方針を明確化し、管理監督者を含む労働者に周知・啓発すること
-
当該方針を顧客等に周知・啓発することも被害の防止に効果的。
-
カスハラの内容及びあらかじめ定めたカスハラへの対処の内容を、管理監督者を含む労働者に周知すること
(カスハラへの対処の内容の具体例)※以下は限定列挙ではない
-
労働者から管理監督者等に直ちに報告し、その場の対応の方針について指示を仰ぐこと。
-
可能な限り労働者を一人で対応させないこと。また、必要に応じて当該労働者に代わって管理監督者等が対応すること。
-
顧客等とのやり取りを録音・録画すること。なお、録音・録画に当たっては個人情報保護法等を遵守し、顧客等の個人情報を適切に取り扱うこと。
-
労働者から十分な説明を行った上で、なお繰り返しの要求が続く場合には、一定の時間の経過をもって退店を求めたり、電話を切ったりすること。
-
暴行、傷害、脅迫などの犯罪に該当し得る言動については、警察へ通報すること。
-
現場対応が困難な場合においては、本社・本部等へ情報共有を行い、指示を仰ぐこと。
-
法的な手続が必要な場合には、法務部門等と連携し、弁護士へ相談すること。
|
|
②相談体制の整備
|
-
相談への対応のための窓口をあらかじめ定め、労働者に周知すること
-
カスハラの相談窓口を、職場における他のハラスメントの相談窓口と一体的に設置をすることも考えられる。
-
相談窓口の担当者が、相談に対し、その内容や状況に応じ適切に対応できるようにすること
-
相談窓口において、相談を行った労働者の心身の状況等に配慮しながら、カスハラの発生のおそれがある場合や、職場におけるカスハラに該当するか否か微妙な場合であっても、広く相談に対応し、適切な対応を行うようにすること(パワハラ指針と同様)。
|
|
③事後の迅速かつ適切な対応
|
-
事案に係る事実関係を迅速かつ正確に確認すること
-
カスハラの行為者が、他の事業主が雇用する労働者又は他の事業主(役員を含む。)である場合には、必要に応じて、他の事業主に事実関係の確認への協力を求めることが必要。
-
速やかに被害者に対する配慮のための措置を適正に行うこと
-
改めてカスハラに関する方針を周知・啓発し、再発防止に向けた措置を講ずること
-
必要な場合には、カスハラの発生の原因や背景となった商品・サービス・接客等における問題や顧客等とのコミュニケーションの不足などの改善を図る等の措置を講ずること。その際、接客等における慣行の見直しなどの職場環境の改善や組織風土の見直しを行うことも考えられる。
-
必要に応じて事案の内容や対応経緯を記録し、個人情報の取扱いに留意して関係部門に共有し、再発防止に活用することも考えられる。
-
カスハラの行為者が、他の事業主が雇用する労働者又は他の事業主(役員を含む。)である場合には、必要に応じて、他の事業主に事実関係の確認への協力を求めることも含む。
-
職場におけるカスハラの事実が確認できなかった場合においても同様の措置を講ずる。
|
|
④職場におけるカスハラの抑止のための措置
|
-
特に悪質と考えられるカスハラへの対処の方針をあらかじめ定め、労働者に周知し、定めた対処を行うことができる体制を整備すること
(特に悪質なカスハラへの対処の具体例)
-
暴行、傷害、脅迫などの犯罪に該当し得る言動については、警察へ通報すること。
-
行為者に対して警告文を発出すること。
-
法令の制限内において行為者に対して商品の販売、サービスの提供等をしないこと。
-
行為者に対して店舗及び施設等への出入りを禁止すること。
-
民事保全法(平成元年法律第91号)に基づく仮処分命令を申し立てること。
|
|
⑤上記①~④と併せて講ずべき措置
|
-
相談への対応又は事後の対応に当たっては、相談者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講ずるとともに、その旨を労働者に対して周知すること
-
労働者が職場におけるカスハラに関し相談をしたこと等を理由として、解雇その他不利益な取扱いをされない旨を定め、労働者に周知・啓発すること
|
3 事業主が求職活動等における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(就活セクハラ指針)
改正後の男女雇用機会均等法(以下「改正男女雇用機会均等法」といいます。)は、既に義務付けられていたセクハラの防止措置義務の対象に、新たに就活セクハラを追加し、事業者が雇用する労働者による性的な言動により、求職者等の求職活動等が阻害されることがないよう、当該求職者等からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講ずることを求めています(13条1項)。事業主が雇用管理上講ずべき措置等に関しては、厚生労働大臣が指針を定めるとされており(13条3項)、2026年2月26日、「事業主が求職活動等における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(令和8年厚生労働省告示第52号、以下「就活セクハラ指針」といいます。)が公表されました。就活セクハラ指針には、就活セクハラの定義及び事業主が講ずべき防止措置の内容について以下のように記載されています。
(1) 就活セクハラの定義
改正男女雇用機会均等法13条1項は、就活セクハラを、事業主が雇用する労働者による性的な言動により求職者等の求職活動等が阻害されるものと定義しています。なお、就活セクハラ指針は、就活セクハラには、同性に対するものも含まれ、被害を受けた者の性的指向又はジェンダーアイデンティティにかかわらず、就活セクハラ指針の対象となるとしています。
ア 「求職活動等」とは
就活セクハラ指針は、「求職活動等」とは、求職者が行う求職活動や求職者に類する者が行う職業の選択に資する活動を指し、SNS等のオンラインを介したものやオンライン上で行われるものも含まれるとしています。また、事業主が雇用する労働者が通常就業している場所で行われるものに限らないとしています。
イ 「労働者」とは
就活セクハラ指針は、「労働者」の定義について、パワハラ指針やセクハラ指針における考え方と同様に、いわゆる正規雇用労働者のみならず、パートタイム労働者、契約社員等いわゆる非正規雇用労働者を含む事業主が雇用する労働者の全てをいうとしています。
ウ 「性的な言動」とは
就活セクハラ指針は、「性的な言動」とは、性的な内容の発言及び性的な行動を指し、「性的な内容の発言」には、性的な事実関係を尋ねること、性的な内容の情報を意図的に流布すること等が、「性的な行動」には、性的な関係を強要すること、必要なく身体に触ること、わいせつな図画を配布すること等がそれぞれ含まれるとしています。
(2) 就活セクハラの典型例
就活セクハラ指針は、上記(1)の定義を前提に、就活セクハラの典型例として以下を挙げています。
-
少人数の説明会において、労働者が求職者等の腰、胸等に触ったため、当該求職者等が苦痛に感じてその求職活動等の意欲が低下していること。
-
企業が実施するインターンシップにおいて、労働者が求職者等に対して性的な冗談やからかいを意図的かつ継続的に行ったため、当該求職者等が苦痛に感じてインターンシップ中の活動が手につかないこと。
-
企業が実施するインターンシップにおいて、性的な内容を含むポスターの掲示や画面の表示等を行っているため、求職者等が苦痛に感じてインターンシップ中の活動が手につかないこと。
-
面接中、面接官を務める労働者から性的な事実に関する質問を受け、求職者が苦痛に感じてその求職活動の意欲が低下していること。
-
求職者等が労働者への訪問を行った際、当該労働者に性的な関係を求められ、当該求職者等が苦痛に感じてその求職活動等の意欲が低下していること。
-
インターンシップ中に労働者が求職者等を執拗に私的な食事に誘い、当該求職者等が苦痛に感じてその求職活動等の意欲が低下していること。
(3) 事業主が講ずべき就活セクハラ防止措置の内容
就活セクハラ指針は、事業主は、就活セクハラを防止するために、以下の措置を講じなければならないとしています。
|
①事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発
|
-
就活セクハラの内容及び就活セクハラを行ってはならない旨の方針を明確化し、管理監督者を含む労働者に周知・啓発すること
-
就活セクハラに係る性的な言動を行った者については、厳正に対処する旨の方針及び対処の内容を就業規則その他の職場における服務規律等を定めた文書に規定し、管理監督者を含む労働者に周知・啓発すること
-
求職活動等に関するルールをあらかじめ明確化し、これを労働者及び求職者等に周知・啓発すること
-
労働者に対しては、面談時間及び場所の指定、実施体制並びにやり取りに用いるSNSの種類の指定その他求職者等と面談等を行う際の規則を定め、周知・啓発するための研修を実施し、また、求職者等に対しては、当該規則を踏まえ、面談等に関する留意事項をホームページやパンフレット等の広報手段を用いて周知することが望ましい。
|
|
②相談体制の整備
|
-
相談への対応のための窓口をあらかじめ定め、求職者等に周知すること
-
求職者等は人事担当者への相談をためらうことも想定されることから、相談窓口の担当者として人事担当者以外の者を指定することも考えられる。
-
相談窓口の担当者が、相談に対し、その内容や状況に応じ適切に対応できるようにすること
|
|
③事後の迅速かつ適切な対応
|
-
事案に係る事実関係を迅速かつ正確に確認すること
-
速やかに被害者に対する配慮のための措置及び行為者に対する措置を適正に行うこと
-
改めて就活セクハラに関する方針を周知・啓発する等の再発防止に向けた措置を講ずること
|
|
④上記①~④と併せて講ずべき措置
|
-
相談への対応又は事後の対応に当たっては、相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講ずるとともに、その旨を労働者及び求職者等に対して周知すること
-
就活セクハラに関する事実関係の確認等に協力したこと等を理由として、解雇その他不利益な取扱いをされない旨を定め、労働者に周知・啓発すること
|
就活セクハラ指針は、上記の措置に加えて、求職活動等を行う大学生や専門学校生が所属する教育機関が設置する相談窓口の担当者等から求職活動等におけるセクハラに係る相談に関する情報提供があった場合には、連携し、適切な対応を行うことが望ましいとしています。
また、就活セクハラだけではなく、求職活動等におけるパワーハラスメントに類する行為、求職活動等における妊娠、出産等に関するハラスメントに類する行為及び求職活動等における育児休業等に関するハラスメントに類する行為について、事業主は、事業主(役員を含む。)自らと労働者の求職者等に対する言動について必要な注意を払うよう努めるとともに、上記行為についても、就活セクハラと同様の方針を併せて示すことが望ましいと記載されています。
4 最後に
カスハラ指針及び就活セクハラ指針の公表により、カスハラ及び就活セクハラの定義の詳細や、企業が講ずべき防止措置の内容が明らかになりました。各企業は、これらの指針を踏まえ、2026年10月1日の施行に向けて、必要な体制を整備することが求められます。
企業におけるカスハラ体制整備や就活セクハラ対策を検討するに際して、本ニュースレターをお役立ていただければ幸いです。また、弊所では、カスハラを含むハラスメントに関する社内研修、ハラスメント対応マニュアルや各種規程の整備のサポート等も対応しておりますので、ご要望があれば、弁護士宛にご連絡ください。
脚注一覧
※1
正式名称は「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」。
※2
正式名称は「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」。
本ニュースレターは、各位のご参考のために一般的な情報を簡潔に提供することを目的としたものであり、当事務所の法的アドバイスを構成するものではありません。また見解に亘る部分は執筆者の個人的見解であり当事務所の見解ではありません。一般的情報としての性質上、法令の条文や出典の引用を意図的に省略している場合があります。個別具体的事案に係る問題については、必ず弁護士にご相談ください。
全文ダウンロード(PDF)
Legal Lounge
会員登録のご案内
ホットなトピックスやウェビナーのアーカイブはこちらよりご覧いただけます。
最新情報をリリースしましたらすぐにメールでお届けします。
会員登録はこちら