(1) デュー・ディリジェンスの範囲
CSDDDのデュー・ディリジェンス義務は、当初、自社、子会社、並びに「活動の連鎖」における直接・間接の取引先を対象とした人権・環境リスクの評価と特定したリスクの是正・予防、救済等を求めるものです。リスクの特定・評価プロセスは、一次的なリスクマッピングと特定したリスクの深掘りの2段階に分かれるところ、オムニバス・パッケージでは、2段階目のリスクの深掘りについて原則として直接の取引先までを対象とすることが提案されていたものの、この点は最終版では維持されませんでした。その代わりに企業は、一次的なリスクマッピングの段階では、合理的に利用可能な情報に基づいてリスクが高いと考えられる領域の特定が求められる(事業体ごとのリスクの特定までは不要)とともに、リスクの深掘りの段階でも、複数の領域で同等の発生可能性又は同等の深刻度を有する負の影響を特定した場合、企業は直接の取引先に関わる負の影響の評価を優先できる等の限定が付されることになりました。