はじめに
2026年4月10日、金融庁は、「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案」(以下「本改正法案」といいます。)を国会に提出しました※1。
本改正法案には、大きく分けて、①暗号資産に係る規制の見直し、②企業のサステナビリティ情報の開示・保証、③スタートアップ企業への資金供給の促進、④有価証券に関する不公正取引規制等の見直しという4つの改正事項が含まれていますが、このうち「①暗号資産に係る規制の見直し」は、2025年12月10日に公表された「金融審議会『暗号資産制度に関するワーキング・グループ』報告」※2(以下「WG報告」といいます。)で示された方向性を踏まえ、金融商品取引法(以下「金商法」といいます。)、資金決済に関する法律(以下「資金決済法」といいます。)その他の関係法令を改正しようとするものです(なお、同ワーキング・グループによる検討に先立って2024年秋から金融庁で実施された外部有識者による勉強会には、本ニュースレターの執筆者である殿村も参加しておりました。また、本ニュースレターの執筆者である高見は、金融庁出向中に、本改正法案の立案・検討に携わった経験を有しています。)。
「暗号資産に係る規制の見直し」に係る本改正法案の主な内容は、(i)暗号資産取引に係る規制を資金決済法から金商法へ移管することを前提に、金商法において、(ii)無登録業者等への対応の強化、(iii)情報公表規制の整備、(iv)暗号資産交換業者(名称は「暗号資産取引業」者へ変更)への業規制の強化、(v)インサイダー取引規制の創設を含む不公正取引規制の強化の対応を行うことです。
さらに、2026年3月31日には「所得税法等の一部を改正する法律」が成立し、同日に公布されています。これには、本改正法案の成立・施行を前提に、暗号資産取引に係る所得を分離課税の対象とすることがその内容として含まれています。
これらの暗号資産に係る規制・税制の改正はいずれも実務上重要ですので、(本改正法案は未成立の段階ではありますが)本ニュースレターでは複数回に分けてその内容をご紹介したいと思います。
まず、本稿では、「①暗号資産に係る規制の見直し」に係る本改正法案の概要をご紹介するとともに、(i)暗号資産取引に係る規制の資金決済法から金商法への移管と(ii)無登録業者等への対応の強化の詳細も取り上げます。なお、次号では、(iii)情報公表規制の整備の詳細について取り上げる予定です。
暗号資産に係る規制の見直しに係る本改正法案の概要
現状、暗号資産は、その決済手段としての性格等に鑑みて主として資金決済法で規制されていますが、足下では決済手段としての利用よりも投資対象としての活用が進んでいるとの指摘があります。そこで、WG報告では、このように暗号資産の投資対象化が進展している状況を踏まえて、暗号資産取引に係る規制を資金決済法から金商法に移管した上で、暗号資産の特性に応じた(有価証券とは異なる)金融商品としての規制を整備する方向性が示されました。
本改正法案は、このようなWG報告の方向性に沿って、(i)暗号資産取引に係る規制を資金決済法から金商法へ移管することを前提に、金商法において、(ii)無登録業者等への対応の強化、(iii)情報公表規制の整備、(iv)暗号資産交換業者(名称は「暗号資産取引業」者へ変更)への業規制の強化、(v)インサイダー取引規制の創設を含む不公正取引規制の強化の対応を行っています。
(i)~(v)のそれぞれの概要は以下のとおりです。
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改正項目
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概要
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(i)
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暗号資産取引に係る規制の資金決済法から金商法への移管
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現行の資金決済法における「暗号資産」の定義・範囲を維持しつつ、その金融監督法(業法)を資金決済法から金商法に変更する。
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金商法では、暗号資産を有価証券とは異なる「金融商品」として位置づけ、資金決済法では、暗号資産に係る規定を削除する。
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現行の暗号資産交換業は、金融商品取引業に(「暗号資産取引業」へと名称を変えて)取り込まれる。
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2025年の資金決済法改正で創設された電子決済手段・暗号資産サービス仲介業のうち暗号資産取引の仲介行為に係る部分は、金融商品仲介業に取り込まれる。
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(ii)
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無登録業者等への対応の強化
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無登録業者に対する罰則を、現行の3年以下の拘禁刑・300万円以下の罰金から、10年以下の拘禁刑・1,000万円以下の罰金に引き上げる。
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証券取引等監視委員会の犯則調査の対象に追加する。
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裁判所による緊急差止命令の対象とし、証券取引等監視委員会の申立て権限を整備する。
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金商法に違反する無登録業者による売付け等について、民事効規定(原則無効として立証責任を転換)の対象に追加する。
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金商法上のステルスマーケティング規制の対象とする。
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(iii)
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情報公表規制の整備
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暗号資産を発行者の有無により2つの類型(「特定暗号資産」とそれ以外の暗号資産)に区分する。
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暗号資産の新規販売時の情報公表を発行者や暗号資産取引業者に義務付ける。
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継続的な情報公表として、臨時・定期(年1回)の情報公表も義務付ける。
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情報の正確性の確保・投資者保護のため、監査法人等の財務監査が行われていない場合には投資者の投資上限を設定し、かつ、虚偽記載等についてのエンフォースメントを強化する。
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(iv)
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業規制の強化
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業規制の対象となる行為の範囲を広げ、暗号資産を投資対象とする投資運用・助言行為や暗号資産の借入れを新たに業規制の対象に含める。
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暗号資産取引業には基本的に第一種金融商品取引業に相当する規制を適用することで、規制強化を行う(責任準備金の積み立て義務や、外務員制度など)。
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暗号資産の管理を行うための重要なシステムの提供業者に係る業規制(事前届出制)を新たに導入し、システムの安全性確保等を義務付ける。
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(v)
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不公正取引規制の強化
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暗号資産のインサイダー取引規制を新たに創設する。
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安定操作取引の禁止等の不公正取引規制も新たに適用する。
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課徴金制度や証券取引等監視委員会の犯則調査権限・課徴金調査権限の創設等によるエンフォースメントの強化を行う。
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暗号資産取引に係る規制の資金決済法から金商法への移管(上記(i))
1. 概要
本改正法案では、暗号資産取引に係る規制を資金決済法から金商法に移管するために、暗号資産に係る規定が資金決済法から削除され、金商法において、より拡充した内容の規定が新設されています。
より具体的には、資金決済法では暗号資産に係る規定が基本的に全て削除されており、現行の「暗号資産交換業」は、「暗号資産取引業」に名称を変えて金商法の金融商品取引業に取り込まれています(改正金商法案28条5項等参照)。
また、2025年の資金決済法改正で創設された「電子決済手段・暗号資産サービス仲介業」については、暗号資産取引の仲介行為に係る部分は金商法の金融商品仲介業に取り込まれ(改正金商法案2条11項2号、66条の2第1項4号(「暗号資産売買媒介等業務」)等参照)、電子決済手段取引の仲介行為に係る部分のみが「電子決済手段サービス仲介業」として資金決済法に残置されています(改正資金決済法案3章の3等参照)。
2. 「暗号資産」の定義・範囲の維持
改正金商法案2条は、以下のとおり「暗号資産」を有価証券とは異なる「金融商品」の一類型として定義しています。
24 この法律において「金融商品」とは、次に掲げるものをいう。
一~三 (略)
三の二 暗号等資産(暗号資産又は資金決済に関する法律第二条第五項第四号に掲げるもののうち投資者の保護を確保することが必要と認められるものとして内閣府令で定めるものをいう。以下同じ。)
三の三~五 (略)
49 この法律において「暗号資産」とは、次に掲げるものをいう。ただし、第二十九条の二第一項第八号に規定する権利を表示するものを除く。
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物品その他の財産的価値(通貨を除く。)を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、通貨、通貨建資産(資金決済に関する法律第二条第七項に規定する通貨建資産をいう。以下この号において同じ。)及び同条第五項に規定する電子決済手段(通貨建資産に該当するものを除く。)を除く。次号において同じ。)であつて、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの
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不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であつて、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの
この「暗号資産」の定義は、現行の資金決済法の定義(2条14項)と実質的に同一のものになっています(資金決済法における「本邦通貨及び外国通貨」が金商法では「通貨」とされるなど、各法における定義の差異に伴う形式的な調整のみが行われています。)。
WG報告でも、現行の資金決済法における「暗号資産」の範囲を維持する方向性が示されていましたので(WG報告8頁)、本改正法案における定義が資金決済法の定義と実質的に同一のものであることも踏まえると、現行の資金決済法における暗号資産の範囲が維持される、すなわち、暗号資産の範囲が拡大又は縮小することは基本的に想定されないと思われます。
例えば、資金決済法における暗号資産の定義に含まれる「代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ」るという要件に関しては、暗号資産をいわゆるNFT(Non-Fungible Token)等と区別する解釈が示されていましたが※3、金商法でもかかる文言が維持されていることから、このようなNFT等と暗号資産の分水嶺にも変更は生じないものと推察されます。
3. 経過措置の内容
本改正法案のうち暗号資産に係る規制の見直しに係る規定は、法律の公布の日から1年以内に施行されるところ(附則1条柱書)、この移管に伴って、資金決済法において暗号資産交換業や電子決済手段・暗号資産サービス仲介業の登録を受けた又は登録申請中の事業者や、これまでは業規制の対象となっていなかった暗号資産を投資対象とする投資運用・助言行為等を行っていた事業者がどのように取り扱われるのかが実務上重要な論点となりますが、この点については本改正法案の附則に規定があります。
その主な内容は以下のとおりで、暗号資産の取引に関与されている事業者の皆様におかれては、自社がどのカテゴリーに該当するかを確認の上、本改正法案の成立・施行に向けた対応のスケジュールを策定することが重要となります。
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対象事業者
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経過措置の内容
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①
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既存の暗号資産交換業者(金融商品取引業者を兼業していない者)
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金融商品取引業の登録を受けなくても、施行日から6か月間は「暗号資産取引業」に係る業務(暗号資産の借入れに係る業務を除く)を継続可能(附則8条1項)。
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この6か月以内に金融商品取引業の登録申請をした場合には、登録又は登録拒否の処分がなされるまでの間も継続可能(ただし、施行日から2年が上限)(附則8条2項)。
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この間、金融商品取引業者とみなされ改正金商法の主要な規制が適用されるが、重要システム提供業者に関する規制(改正金商法案43条の12)、責任準備金(同46条の5)、自己資本規制比率(同46条の6)、損失準備金(同49条の4)、資産の国内保有義務(同49条の5)等の、これまで資金決済法で暗号資産交換業者に課されていなかった規制は適用対象から除外される(附則8条3項)。
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施行日から2週間以内に、商号・名称、取り扱う暗号資産の名称等を内閣総理大臣に届け出る必要がある(附則10条1項)。
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②
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業登録を受けずに、暗号資産を投資対象とする投資運用・助言や暗号資産の借入れに係る業務(改正により新たに金融商品取引業のスコープに入る業務)を行っている業者
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金融商品取引業の登録を受けなくても、施行日から6か月間は、現に取り扱っている暗号資産と同一の銘柄については当該業務を継続可能(附則5条1項)。
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この6か月以内に金融商品取引業の登録申請をした場合には、登録又は登録拒否の処分がなされるまでの間も継続可能(ただし、施行日から2年が上限)(附則5条2項)。
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この間、金融商品取引業者とみなされ改正金商法の主要な規制が適用されるが、責任準備金(改正金商法案46条の5)、自己資本規制比率(同46条の6)、損失準備金(同49条の4)、資産の国内保有義務(同49条の5)等の規制は適用対象から除外される(附則5条3項)。
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施行日から2週間以内に、商号・名称、取り扱う暗号資産の名称等を内閣総理大臣に届け出る必要がある(附則7条1項)。
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③
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既存の金融商品取引業者で、暗号資産を投資対象とする投資運用・助言や暗号資産の借入れに係る業務(改正により新たに金融商品取引業のスコープに入る業務)を行っている業者
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業務の種別の追加に係る変更登録を受けなくても、施行日から6か月間は、現に取り扱っている暗号資産と同一の銘柄については当該業務を継続可能(附則6条1項)。
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この6か月以内に変更登録の申請をした場合には、変更登録又は変更登録拒否の処分がなされるまでの間も継続可能(ただし、施行日から2年が上限)(附則6条2項)。
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施行日から2週間以内に、商号・名称、取り扱う暗号資産の名称等を内閣総理大臣に届け出る必要がある(附則7条1項)。
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④
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既存の暗号資産交換業者であって、かつ、既存の金融商品取引業者でもある者
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業務の種別の追加に係る変更登録を受けなくても、施行日から6か月間は、「暗号資産取引業」に係る業務(暗号資産の借入れに係る業務を除く。)を継続可能(附則9条1項)。
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この6か月以内に変更登録の申請をした場合には、変更登録又は変更登録拒否の処分がなされるまでの間も継続可能(ただし、施行日から2年が上限)(附則9条2項)。
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この間、金融商品取引業者とみなされ改正金商法の主要な規制が適用されるが、重要システム提供業者に関する規制(改正金商法案43条の12)等の規制は適用対象から除外される(附則9条3項)。
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施行日から2週間以内に、商号・名称、取り扱う暗号資産の名称等を内閣総理大臣に届け出る必要がある(附則10条1項)。
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⑤
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既存の電子決済手段・暗号資産サービス仲介業者(金融商品仲介業者を兼業していない者)
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金融商品仲介業の登録を受けなくても、施行日から6か月間は、「暗号資産売買媒介等業務」を継続可能(附則18条1項)。
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この6か月以内に金融商品仲介業の登録申請を行った場合には、登録又は登録拒否の処分がなされるまでの間も継続可能(ただし、施行日から2年が上限)(附則18条2項)。
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この間、金融商品仲介業者とみなされ改正金商法の主要な規制が適用されるが、標識掲示義務(改正金商法案66条の8)等の規制は適用対象から除外される(附則18条3項)。
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施行日から2週間以内に、商号・名称、取り扱う暗号資産の名称等を内閣総理大臣に届け出る必要がある(附則20条1項)。
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⑥
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既存の電子決済手段・暗号資産サービス仲介業者であって、かつ、既存の金融商品仲介業者でもある者
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業務の種別の追加に係る変更登録を受けなくても、施行日から6か月間は、「暗号資産売買媒介等業務」を継続可能(附則19条1項)。
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この6か月以内に変更登録の申請をした場合には、変更登録又は変更登録拒否の処分がなされるまでの間も継続可能(ただし、施行日から2年が上限)(附則19条2項)。
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施行日から2週間以内に、商号・名称、取り扱う暗号資産の名称等を内閣総理大臣に届け出る必要がある(附則20条1項)。
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無登録業者等への対応の強化(上記(ii))
本改正法案では、無登録業者等への対応が大幅に強化されています。その主な内容は以下のとおりです。
(1) 罰則の引き上げ
第一に、罰則が大幅に引き上げられます。現行の資金決済法では、無登録で暗号資産交換業を行った場合の罰則は3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金又はその併科ですが(資金決済法107条12号)、金商法では10年以下の拘禁刑若しくは1,000万円以下の罰金又はその併科に引き上げられます(改正金商法案197条1項4号の4)。
これは、本改正法案による今般の改正で、無登録で金融商品取引業を行った場合の罰則自体も従来の5年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金又はその併科(金商法197条の2第1項10号の4)から引き上げられることに対応するものです。
(2) 犯則調査・緊急差止命令の対象化等
第二に、証券取引等監視委員会の犯則調査の対象に、暗号資産に係る不公正取引が追加されます(改正金商法案210条1項)。また、裁判所による緊急差止命令の対象にもなり(改正金商法案192条)、証券取引等監視委員会の申立て権限も整備されます(改正金商法案194条の7第4項)。
(3) 民事効規定の新設
第三に、民事効規定が新設されます。具体的には、金商法に違反する無登録業者が行った暗号資産の売付け等は暴利行為に該当するものと推定し、その売買契約等を原則として無効とする規定が設けられます(改正金商法案171条の15)。
ただし、その対象は、「未公表暗号資産」に限定されており、金融商品取引業者(暗号資産取引業者)が取り扱っている暗号資産は対象に含まれません(同条2項1号)。
これは、無登録業者による未公開株式等の取引に関する現行の金商法171条の2と同様の規定です。
(4) ステルスマーケティング規制の導入
第四に、いわゆるステルスマーケティング規制が導入されます。暗号資産の発行者や金融商品取引業者等から対価を受けて暗号資産の取引判断に関する意見をインターネット等で表示する場合には、対価を受ける旨の表示が義務付けられます(改正金商法案171条の12)。
(5) 支払手段としての利用者被害の未然防止
さらに、本改正法案には含まれておらず、内閣府令事項とされていますが、暗号資産が詐欺的な投資勧誘の支払手段として利用されることを未然に防ぐ措置を講じることとされています※4。
法案説明資料では、新規口座開設直後にはアンホステッド・ウォレットへ移転できない等の熟慮期間を設けることが例として挙げられていますが、WG報告ではより詳細に「詐欺的事案の可能性に関する警告や移転目的の確認、取引モニタリングの適切な実施、新規口座開設直後及び新規ウォレット先への移転について一定の熟慮期間を設けるなどの対応を求めることが適当」とされていたところであり(WG報告26頁)、内閣府令案で具体的な措置の内容がどのように規定されるのかが注目されます。