(1) 米国における株主提案の仕組み
株主提案規則(Rule 14a-8)は、1934年証券取引法に基づき、米国の上場会社における株主提案の要件や手続きを定めています。当該規則に基づき、保有株式数及び株式保有期間等の一定の要件を満たす株主は、株主総会の際に会社が株主に対して送付する委任状資料(proxy statement)に、自らの株主提案の掲載を求めることができますが、会社は一定の除外事由を満たす場合には委任状資料への掲載を拒否し、株主総会における投票の対象から除外することが認められています。主な除外事由としては、法律違反(Rule 14a-8(i)(2))や会社が実質的に実行済みの事項(同(10))などに加え、会社の総資産・売上高・純利益の5%未満であり、かつ、会社の事業に重大な関連性を有しない事項(以下「経済的関連性に基づく除外」といいます。)(同(5))や、会社の日常的な運営に関する事項(以下「通常業務に基づく除外」といいます。)(同(7))が挙げられます。
会社がこれらの除外事由に該当すると判断した場合、通常はSECに対してNo Action Requestを提出して、当該提案を委任状資料に掲載しなかったとしてもSECが執行措置をとらないことの確認を求めます。SECがこれを認めると、No Action Letterが発出され、会社はSECの確約を得た上で委任状資料への掲載を拒否することができます。理論上、会社はNo Action Letterを取得せずとも委任状資料への掲載を拒否することができますが、その場合会社は株主から委任状資料への掲載を求める訴訟を提起されるリスクがあり、実務上はこのNo Action Letterを取得することが一般的な対応となっていました。