• HOME
  • 著書/論文
  • 改正物流特殊指定、支払告示・同運用基準及び改正優越ガイドラインの公表

Publication

ニュースレター

改正物流特殊指定、支払告示・同運用基準及び改正優越ガイドラインの公表

著者等
伊藤伸明芦田晴香(共著)
出版社
長島・大野・常松法律事務所
書籍名・掲載誌
NO&T Competition Law Update ~独占禁止法・競争法ニュースレター~ No.52(2026年7月)
関連情報

ニュースレター

業務分野

※本ニュースレターは情報提供目的で作成されており、法的助言ではありませんのでご留意ください。また、本ニュースレターは発行日(作成日)時点の情報に基づいており、その時点後の情報は反映されておりません。特に、速報の場合には、その性格上、現状の解釈・慣行と異なる場合がありますので、ご留意ください。

はじめに

 2026年6月17日、公正取引委員会(公取委)は、⁠「特定荷主が物品の運送又は保管を委託する場合の特定の不公正な取引方法⁠」(以下「改正物流特殊指定」といいます。)、「製造委託等に係る代金の支払に関する特定の不公正な取引方法」(以下「支払告示」といいます。)、「⁠⁠製造委託等に係る代金の支払に関する特定の不公正な取引方法の運用基準⁠」(以下「支払告示運用基準」といいます。)及び「優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方」(以下「改正優越ガイドライン」といい、改正物流特殊指定、支払告示及び支払告示運用基準と併せて「改正物流特殊指定等」といいます。)の成案を公表しました※1・2。そこで、本ニュースレターでは、改めて今回の改正物流特殊指定等の内容及び実務上のポイントについてご説明します。

改正物流特殊指定の概要

1. 着荷主規制の新設

(1) 現行法の課題

 発荷主(部品メーカーや卸売業者等)から着荷主(完成品メーカーや小売事業者等)への物品の運送では、通常、①発荷主が元請運送事業者に運送を委託し、②元請運送事業者が下請運送事業者に再委託するという複数の委託関係が存在します。このうち、②の再委託は「役務提供委託」として取適法の適用対象であり、①の委託については、独占禁止法上の告示である「⁠特定荷主が物品の運送又は保管を委託する場合の特定の不公正な取引方法⁠」(物流特殊指定)により規制されてきたところ、取適法への改正に伴い、その一部が「特定運送委託」として同法の対象に加えられました。

 このように、発荷主と運送事業者の関係においては、取適法や物流特殊指定によって運送事業者の保護が一定程度図られているものの、実際の物流の現場においては、荷下ろしの場面で、着荷主が運送事業者に対して、契約外の荷待ち・荷役等を要請する行為が問題視されてきました。しかし、着荷主と運送事業者の間には直接の契約関係がないことから、現行法ではこのような着荷主の行為を是正することが容易ではありませんでした。

(2) 改正内容

 こうした課題を踏まえ、改正物流特殊指定では、新たに着荷主に対する規制が導入されました(改正物流特殊指定第2項)。着荷主規制の下では、「特定着荷主※3」が物品の引渡しを受ける場合に⁠、以下の行為を行うことにより「特定発荷主※4」の利益を不当に害することは⁠、不公正な取引方法として違法となるとされています(⁠同第2項第1号及び第2号⁠、独占禁止法第19条⁠、同法第2条第9項第6号)※5

  • 不当な運送の役務以外の役務その他の経済上の利益提供要請(附帯業務等)
  • 不当な運送の変更及びやり直し(荷待ち・やり直し等)

 上記(1)⁠で述べたように⁠、実際に問題とな⁠っているのは着荷主による運送事業者に対する行為ですが⁠、発荷主は、取適法や物流特殊指定を介して運送事業者の負担を引き受ける立場にあることから⁠、着荷主が運送事業者を通じて発荷主に不利益を及ぼす行為が規制対象とされています⁠。そのため、着荷主の要請に基づく発荷主の指示・関与が一切なく、着荷主が運送事業者に直接指示をし、運送事業者の独自の判断で契約外の荷役・荷待ち等が行われたにとどまる場合には、禁止行為に該当するものではないと考えられます※6。もっとも、着荷主が運送事業者に対して契約外の荷役・荷待ち等を要請した場合、その後の対応過程において発荷主が関与することとなるか否かは着荷主の側では事後的にコントロールできない事情といえます。したがって、コンプライアンスの観点から、着荷主としては、運送事業者に対して契約外の荷役・荷待ち等の要請を行わないよう留意すべきであると考えられます。

 実務上は、着荷主は、運送事業者に対して荷役や荷待ち等を行わせる必要がある場合には、発荷主と十分協議した上で、あらかじめその内容や対価等の条件を合意しておくべきであると考えられます※7

(出典:2026年3月10日付 第4回企業取引研究会資料2 14頁)

2. その他の改正―取適法での改正点の反映

 上記の着荷主規制のほか⁠、取適法への移行に伴う見直しを反映する改正が行われました。

 まず、取適法において適用対象事業者の要件として新たに従業員基準が導入されたことを踏まえ、改正物流特殊指定においても、これに対応する従業員基準が設けられました(改正物流特殊指定備考第1項第3号、第2項第3号、第3項第3号、第4項第3号)。

 また、従来から物流特殊指定の規制対象とされてきた特定荷主※8と特定物流事業者※9との間の行為に関して、代金の手形払及び協議に応じない一方的な価格決定が新たに不公正な取引方法として指定されました(改正物流特殊指定第1項第1号、同項第7号)。これらは、取適法への改正に伴い委託事業者の禁止行為として新設されたものですが(取適法第5条第1項第2号、同条第2項第4号)、改正物流特殊指定により、取適法の適用対象外となる運送・保管委託についても同様に禁止されることとなります。

支払告示及び同運用基準について

1. 支払告示の概要

 支払条件の決定に当たっては、一般に発注者が優位に立ちやすく、その結果として支払サイトが長期化する傾向があるとされます。取適法は、この点を踏まえ、同法の適用対象となる取引について、発注者(取適法第2条第8項の「委託事業者」)に対し、給付受領日から起算して60日以内の支払期日を定める義務を課すとともに、60日を経過してもなお代金を支払わない行為(支払遅延)を禁止しています。もっとも、規模基準(資本金基準及び従業員基準)を満たさない発注者・受注者間の取引は取適法の適用対象外であることから、複数の取引段階が連なるサプライチェーンを全体としてみると、支払サイトが長期に及ぶケースがみられると指摘されていました。

 上記の課題を踏まえ、支払告示では⁠、取適法上の「⁠製造委託等」を行う発注者の行為を対象として、当該発注者(支払告示における「委託事業者」)が、給付受領日から60日を経過してもなお代金を支払わない行為(支払遅延)を禁止しています※10。支払告示では、取適法のような発注者・受注者に関する規模基準(資本金基準及び従業員基準)は設けられていないため、規模基準を満たさず取適法の適用対象外となる取引についても規制対象となります。

2. 支払告示の適用対象

 上記1.のとおり、支払告示は、発注者が取適法上の「製造委託等」を行った場合に適用されます※11

 支払告示では⁠、発注者・受注者に関して明確な規模基準(資本金基準及び従業員基準)は設けられていないものの、受注者の「取引上の地位が委託事業者に対して劣っていないと認められる」場合は、当該受注者は支払告示の適用対象となる「受託事業者」に該当せず、規制対象から除外されます。

 支払告示運用基準第1の2によると、「取引上の地位が当該委託事業者に対して劣っていないと認められる」かどうかの具体的な判断に当たっては、①受託事業者の当該委託事業者に対する取引依存度、②当該委託事業者の市場における地位、③受託事業者にとっての取引先変更の可能性、④その他当該委託事業者と取引することの必要性を示す具体的事実を総合的に勘案するとされています。

 一方で、支払告示運用基準では、受注者の事業規模が発注者より小さい場合には、特段の事情がない限り、原則として支払告示の規制対象となるとの考え方が示されており※12、公取委は、受注者が「取引上の地位が当該委託事業者に対して劣っていないと認められる」ことの立証責任を発注者側に負わせることを想定していると考えられるところ、そのような立証を行うハードルは相応に高いと考えられます。したがって、コンプライアンスの観点から、発注者は、自社より事業規模が小さい受注者に対して「製造委託等」を行う場合には、原則として支払告示の対象となることを前提に対応するのが望ましいと考えられます。

3. 支払告示における禁止行為

(1) 禁止行為の内容

 上記1.のとおり、支払告示では、委託事業者が受託事業者に対し、給付を受領した日(役務提供委託又は特定運送委託の場合にあっては、委託に係る役務の提供を受けた日※13。以下同じ。)から起算して60日の期間経過後も代金を支払わないこと(支払遅延)が禁止されています。

 なお、取適法では、支払期日に代金の満額に相当する現金を受け取ることができない電子記録債権・ファクタリング等を使用することは支払遅延に該当するとされているのに対し、支払告示においては、支払手段として電子記録債権・ファクタリング等を使用する場合には、給付受領日から60日以内に支払を受けることができるようにすれば足り、受託事業者が代金の満額に相当する現金を受領した状態となることまでは求められていません。ただし、支払期日までに一般の金融機関による割引を受けることが困難な電子記録債権等を使用して対価を支払い、通常よりも割高な割引料を負担させる場合には、優越的地位の濫用として問題となり得るため、注意が必要です※14

(2) 「正当な理由がある場合」の考え方

 取適法では、支払遅延行為は受注者の同意の有無等を問わず一律に禁止されているのに対し、支払告示では、支払遅延に「正当な理由がある場合」には違反行為に該当しないこととされています。支払告示運用基準第2の2では、「正当な理由がある場合」の例として、以下の3つが挙げられています。

  1. 受託事業者の責めに帰すべき理由がある場合
     具体的には、受託事業者の給付の内容が委託内容と異なることがある等の場合をいうとされています。
  2. 製造委託等をするに当たって受託事業者との合意により支払条件を定め、その条件に従って代金を支払う場合(当該製造委託等の取引における合理的な理由に基づき、支払条件を定める場合に限る。)
     ここでいう「合意」とは、合意という形式的な形さえ整えればよいというものではなく、当事者の実質的な意思が合致していることをいいます。

     また、受託事業者との「合意」による支払遅延が「正当な理由」に該当するのは、「当該製造委託等の取引における合理的な理由に基づき、支払条件を定める場合」に限定されているところ、支払告示運用基準によれば、「取引の実態に即した合理的な理由があり、給付を受領した日から起算して60日を経過する日の翌日以降の日を支払期日と定める場合」をいうとされています。例として、次のような場合が挙げられています。

    • 給付の完了の確認又は検査に時間を要する場合において、給付の完了の確認又は検査に通常必要とする期間の経過後を支払期日に設定する場合
    • 支払期日が金融機関の休業日に当たる場合において、当該金融機関の翌営業日までの順延に係る期間の経過後を支払期日に設定する場合
    • 給付を受領した日から起算して60日を経過する日の翌日から支払期日までの受託事業者の資金調達コスト等を踏まえて代金の額を定める場合において、代金の額に反映された調達に係る利息等の額の算定の基礎となった期間の経過後を支払期日に設定する場合
  3. あらかじめ受託事業者の同意を得て、かつ、代金の支払の遅延によって当該受託事業者に通常生ずべき損失を委託事業者が負担する場合
     上記②と同様に、「受託事業者の同意」とは、同意という形式的な形さえ整えればよいものではなく、受託事業者が納得して同意していることをいいます。なお、委託事業者が客観的に相当と認められる損失を負担していない場合には、たとえ受託事業者が同意したときであっても、「通常生ずべき損失を委託事業者が負担する場合」とはいえず、「正当な理由がある」とはいえないとされています。

 以上を踏まえると、外見上は受託事業者の同意があるように思われる場合でも、受託事業者が支払遅延に納得していることを基礎づける客観的な事実がない限り、上記②又は③には該当しないと考えられ、「正当な理由がある」として支払遅延行為が許容されるケースは限定的であると考えられます。

改正優越ガイドライン

1. サプライチェーン全体での適切な価格転嫁に向けた環境整備

 取適法では、協議を経ない一方的な価格決定(⁠取適法第5条第2項第4号⁠)が禁止行為として導入されましたが、取適法の対象外取引においても、実効的な価格協議を行えないことが一因とな⁠って価格転嫁が十分に進んでいない現状があると指摘されてきました。

 この課題に対応すべく、改正優越ガイドライン第4の3(5)ア「⁠取引の対価の一方的決定⁠」の想定例として、以下の行為が追加されました⁠。

  • 量産期間が終了し、補給品として僅かに発注されるだけで発注数量が減少し、製造に要する費用が大幅に上昇していることを理由に、取引の相手方が量産時の大量発注を前提とした従前の単価の引上げに係る協議を求めたにもかかわらず、これを拒否し、又は無視して、従前の単価と同一の単価を一方的に定めること(⁠想定例⑪⁠)⁠。
  • 取引の相手方に対し、通常の価格より著しく低い又は著しく高い対価での取引を要請し、要請に応じない場合には取引を減らしたり打ち切ったりすることを示唆することにより、取引の相手方と協議することなく、一方的に通常の価格より著しく低い又は著しく高い対価の額を定めること(⁠想定例⑫⁠)。
  • 労務費、原材料費、エネルギーコスト等が上昇し、取引の相手方のコストが大幅に増加したため、取引の相手方が当該コストの増加に関する資料に基づき単価の引上げに関する協議を求めたにもかかわらず、理由の説明や根拠資料の提供をすることなく、従前の単価と同一の単価を一方的に定めること(⁠想定例⑬⁠)⁠。
  • 取引の相手方が発注される前にあらかじめ発注数量を予測して生産しなければ納品期日に間に合わないような短納期発注に応じることを前提とした発注を行い、取引の相手方である納入業者の生産コスト等が大幅に増加したにもかかわらず、通常の納期で発注した場合と同一の単価を一方的に定めること(⁠想定例⑭⁠)⁠。

2. フードサプライチェーンにおける商慣習における課題への対応

 2025年5月に公表されたフ⁠ードサプライチ⁠ェ⁠ーンにおける商慣行に関する実態調査報告書において⁠、フ⁠ードサプライチ⁠ェ⁠ーンにおける、①3分の1ル⁠ール⁠、②短いリ⁠ードタイム⁠、③日付逆転品の納品禁止⁠、④日付混合品の納品禁止⁠、⑤欠品ペナルテ⁠ィという5つの商慣行について、取引の適正化及び食品ロスの削減との関係で課題であると指摘されました。

 この課題に対応すべく⁠、改正優越ガイドライン第4の3(⁠1⁠)ア「⁠受領拒否⁠」の想定例として⁠、以下の行為が追加されました⁠。

  • 天災や道路事情等、納入業者に責任のない事情により納期や検査基準を満たすことができないものの、賞味期限には十分余裕がある商品の受領について納入業者から協議を求められたにもかかわらず、飲食料品の製造年月日から賞味期限までの期間のうち、製造年月日から最初の3分の1に当たる日までに商品を納品しなければならないという商慣行(いわゆる3分の1ルール)や、既に納品した商品の賞味期限等より1日でも前の賞味期限等の商品を納品することは認められないという商慣行(いわゆる日付逆転品の納品禁止)のみを理由として、一方的に商品の受領を拒否すること(⁠想定例⑧⁠)⁠。
  • あらかじめ納入業者と合意していた発注ロットを守らずに発注し、これに一方的に応じさせ、製造日付順の納品管理を困難にさせておきながら、一方的に、賞味期限等の異なる商品を混合した商品は納品することは認められないという商慣行(いわゆる日付混合品の納入禁止)を理由に、商品の受領を拒否すること(⁠想定例⑨⁠)⁠。

実務上のポイント

 改正物流特殊指定では、これまで規制が十分に及んでいなかった着荷主の行為が規制対象となります。そのため、着荷主においては、物流現場での実務対応を把握した上で、運送事業者に対する不当な行為が行われないよう、必要に応じて発荷主との契約条件の協議・明確化や業務フローの見直しを進めることが求められます。

 また、支払告示は、これまで取適法の適用対象外であった製造委託等の取引についても、取適法の支払期日に関する規制が広く及ぶ点に大きな特徴があります。上述のとおり、受注者が「取引上の地位が当該委託事業者に対して劣っていないと認められる」ことの立証は相応にハードルが高いと考えられること、及び支払遅延に「正当な理由がある」と認められるケースは限定的と考えられることに照らすと、自社より事業規模の小さい受注者に対する「製造委託等」については原則として規制対象となることを前提に、支払期日が給付受領日から60日以内となっているかを点検し、必要に応じて見直すことが必要になると考えられます。あわせて、こうした見直しが資金繰りやキャッシュフローに与える影響についても検討しておく必要があります。

 改正優越ガイドラインは既に2026年6月17日に施行されており、改正物流特殊指定及び支払告示はいずれも2027年4月1日に施行されます。契約実務、社内体制、支払プロセス等の見直しには一定の時間を要することが想定されるため、対象取引の洗い出しや運用の見直しを早期に進めていくことが望まれます。

脚注一覧

※1
公取委は、成案の公表に先立ち、2026年3月12日、改正物流特殊指定の案等を公表していました。「(令和8年3月12日)「特定荷主が物品の運送又は保管を委託する場合の特定の不公正な取引方法」改正案等に対する意見募集及び公聴会の開催について」。3月12日に公表された案に関して、本年6月の独占禁止法・競争法ニュースレター「「製造委託等に係る代金の支払に関する特定の不公正な取引方法」案等の公表 ― 着荷主による荷待ち・荷役の要請や、取適法対象外の製造委託等における支払期日も規制へ」でも紹介しておりましたので、そちらもご参照ください。

※3
一定の資本金基準又は従業員数基準を満たし、⁠他の事業者から業として行う販売等における継続的な取引の相手方として物品の引渡しを受けるなどする事業者をいいます(改正物流特殊指定備考第3項)。

※4
一定の資本金基準又は従業員数基準を満たし、特定着荷主に対し物品を引き渡すために行う運送を他の事業者に委託する事業者をいいます(同備考第4項)。

※5
物流特殊指定に違反する行為は、排除措置命令(独占禁止法第20条)の対象となります(課徴金納付命令や刑事罰の対象にはなりません。)。また、違反認定に至らない場合であっても、注意や警告が行われ、事案が公表されることがあるため、公表によるレピュテーションリスクを踏まえた対応が必要であると考えられます。

※6
公取委が2026年6月17日付で公表した「意見公募手続における意見の概要及びそれに対する考え方」(以下「パブコメ」といいます。)(1) No.11参照。

※7
パブコメにおいても、特定着荷主が、①「経済上の利益の提供」(荷役作業・附帯業務等)の具体的な条件についてあらかじめ特定発荷主と合意し、当該提供のために通常必要な費用を自己が負担する場合、又は、②「経済上の利益の提供」(荷役作業・附帯業務等)の具体的な条件についてあらかじめ特定発荷主と合意し、特定発荷主との取引の目的物等の物品の対価に当該提供のために通常必要な費用が反映されている場合には、「特定発荷主の利益を不当に害する」こととはならないとされています(パブコメ(1)No.2)。

※8
一定の資本金基準又は従業員数基準を満たし、物品の運送又は保管を委託する事業者をいいます。

※9
一定の資本金基準又は従業員数基準を満たし、⁠特定荷主から継続的に物品の運送又は保管を受託する事業者をいいます。

※10
物流特殊指定と同じく、支払告示に違反する行為は、排除措置命令(独占禁止法第20条)の対象となります(課徴金納付命令や刑事罰の対象にはなりません。)。また、違反認定に至らない場合であっても、注意や警告が行われ、事案が公表されることがあるため、公表によるレピュテーションリスクを踏まえた対応が必要であると考えられます。

※11
したがって、製造委託等を伴わない規格品等の売買であれば、通常は支払告示は適用されません。もっとも、規格品・標準品を購入することは、原則として取適法上の「製造委託」に該当しないものの、規格品・標準品であっても、その一部でも自社向けの加工等をさせる場合には、「製造委託」に該当する可能性がありますので注意が必要です(公取委・中小企業庁「中小受託取引適正化法テキスト」6頁)。

※12
支払告示運用基準第1の2には、「当該委託事業者に比して事業規模が小さい事業者が、当該委託事業者による告示に規定する行為を受け入れている場合には、その取り扱う商品又は役務が高い希少性を有するなどの具体的事実を総合的に勘案して特段の事情が認められる場合を除いて、一般に当該事業者は告示の受託事業者に該当する。」との記載があります。

※13
取適法の運用基準においては、役務提供委託又は特定運送委託の支払期日の起算日に関し、個々の役務が連続して提供される役務であって一定の要件を満たすもの(連続提供役務)については、月単位で設定された締切対象期間の末日に当該役務が提供されたものとみなす旨の規定が設けられています。支払告示においても、この点は取適法と同様に取り扱われることがパブコメで示されています(パブコメ(2)No.21)。

※14
パブコメ(2)No.23、No.24

本ニュースレターは、各位のご参考のために一般的な情報を簡潔に提供することを目的としたものであり、当事務所の法的アドバイスを構成するものではありません。また見解に亘る部分は執筆者の個人的見解であり当事務所の見解ではありません。一般的情報としての性質上、法令の条文や出典の引用を意図的に省略している場合があります。個別具体的事案に係る問題については、必ず弁護士にご相談ください。


全文ダウンロード(PDF)

Legal Lounge
会員登録のご案内

ホットなトピックスやウェビナーのアーカイブはこちらよりご覧いただけます。
最新情報をリリースしましたらすぐにメールでお届けします。

会員登録はこちら

弁護士等

独占禁止法/競争法に関連する著書/論文

取適法に関連する著書/論文

独占禁止法/競争法アドバイスに関連する著書/論文

  • HOME
  • 著書/論文
  • 改正物流特殊指定、支払告示・同運用基準及び改正優越ガイドラインの公表