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「肖像、声等の無断利用による民事責任の在り方に関する検討会 取りまとめ報告書 ―生成AIによるパブリシティ権侵害等に関する解釈指針―」のポイント(下)

著者等
東崎賢治小槻英之井原諄富永有美(共著)

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出版社
長島・大野・常松法律事務所
書籍名・掲載誌
NO&T IP Law Update ~知的財産法ニュースレター~ No.45/NO&T Media, Entertainment and Sports Legal Update メディア・エンタテインメント・スポーツニュースレター~ No.3(2026年8月)
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※本ニュースレターは情報提供目的で作成されており、法的助言ではありませんのでご留意ください。また、本ニュースレターは発行日(作成日)時点の情報に基づいており、その時点後の情報は反映されておりません。特に、速報の場合には、その性格上、現状の解釈・慣行と異なる場合がありますので、ご留意ください。

1 はじめに

 法務省に設置されていた「肖像、声等の無断利用による民事責任の在り方に関する検討会」(以下「本検討会」といいます。)は2026年8月7日付で「肖像、声等の無断利用による民事責任の在り方に関する検討会 取りまとめ報告書 ―生成AIによるパブリシティ権侵害等に関する解釈指針―」(以下「本報告書」といいます。)を公表しました※1

 前号※2において述べたとおり、本報告書は、パブリシティ権や、肖像等をみだりに利用されない権利の侵害の成否、損害賠償請求の範囲等の不法行為法の解釈適用上の論点やその考え方について解釈指針を示すものであり※3、法的拘束力はないものの、生成AIの利用に伴うパブリシティ権及び肖像等をみだりに利用されない権利の侵害の成否等につき、想定事例の検討を含めた詳細な検討を行っており、実務上参考にすべきものといえます。

 本ニュースレターにおいては、前号に引き続き、本報告書のポイントを解説しています。本報告書の主な検討の対象とされている事項のうち、前号ではパブリシティ権の侵害を取り扱いましたが、本号では肖像等をみだりに利用されない権利の侵害について、その成否を中心に本報告書の内容を解説するとともに、本報告書全体を踏まえた実務上の留意点を解説します。

 なお、前号で記載した内容の再掲となりますが、本報告書が検討している想定事例の概要は以下のとおりで、各事例におけるYに対する損害賠償請求及び差止請求等について、どのように考えるかを検討しています。

想定事例1 映像作品への俳優の肖像の無断利用
Yが俳優Xに無断で、生成AIアプリにより、Xによく似た顔の者がアクションシーンを演じている動画を生成し、SNS上に公開して収益を得た事例。
想定事例2 配信音源への歌手・声優(が演じるアニメキャラクター)の声の無断利用
Yが、Xに無断で、生成AIアプリにより、Aの楽曲をXによく似た歌声で歌っている音源を生成し、SNS上に公開して収益を得た事例。
なお、事例2-1のXは歌手である。また、事例2-2のXは声優であり、問題の音源ではXの演じるアニメキャラクターCの声によく似た声が使われている。
想定事例3 性的画像・音源への俳優の肖像・声優の声の無断利用
事例3-1:Yが俳優Xに無断で、生成AIアプリにXの肖像とAの裸の画像を入力し、Xの顔とAの裸を合成するよう指示して、Xが裸になっているような画像を生成し、SNS上に公開して収益を得た事例。
事例3-2:Yが、生成AIアプリにより、声優Xの声を合成し、Xがわいせつなテキストを読み上げているかのような音源を生成し、SNS上に公開して収益を得た事例。
想定事例4 収益目的のない俳優の肖像・声優の声の無断利用
Yが、収益目的なく、興味本位で、①想定事例1の動画を生成し、SNS上に公開した(事例4-1)、又は、②想定事例2-1の音源を生成し、SNS上に公開した(事例4-2)事例。
想定事例5 所属事務所へのパブリシティ権の独占的利用許諾又は譲渡
想定事例1及び想定事例2-1において、Xが、芸能事務所Zに対し①Xが有するパブリシティ権の独占的な利用許諾(事例5-1)、又は、②Xが有するパブリシティ権の譲渡(事例5-2)、の約定を行っていた事例。
想定事例6 故人である俳優の肖像の映像作品への無断利用
Yが、生成AIアプリにより、故人である俳優Xによく似た顔の者がアクションシーンを演じている動画を作成し、これをSNS上に公開して収益を得た事例。
想定事例7 故人である俳優の肖像の性的画像への無断利用
Yが生成AIアプリに、故人である俳優Xの肖像とAの裸の画像を入力し、Xの顔とAの裸を合成するよう指示して、Xが裸になっているような画像を生成し、SNS上に公開して収益を得た事例。

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