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令和8年度税制改正大綱③:パーシャルスピンオフ税制の改正
堀内健司、水越恭平(共著)
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※本ニュースレターは情報提供目的で作成されており、法的助言ではありませんのでご留意ください。また、本ニュースレターは発行日(作成日)時点の情報に基づいており、その時点後の情報は反映されておりません。特に、速報の場合には、その性格上、現状の解釈・慣行と異なる場合がありますので、ご留意ください。
インド企業省(Ministry of Corporate Affairs)は、2025年5月30日、2014年会社法(会計)規則※1を改正するための改正規則※2を公表し、同規則に基づく改正が、同年7月14日から施行された。この改正により、インド法人の取締役会報告書における記載事項が拡充されたほか、財務諸表等について統一された電子フォームでの提出が義務付けられた。
この改正は、労務関連の情報について企業の透明性・説明責任を強化するとともに、財務諸表等の提出において統一された電子フォームの利用を義務付けることにより、情報の提出・利用の効率化を図るものである。
インド法人は、事業年度の終了後、その事業年度にかかる財務諸表を作成し、取締役会及び定時株主総会で承認を受けることになるが、この財務諸表には、会社法に規定される財務情報及び非財務情報※3を記載した取締役会報告書を添付することになっている。取締役会報告書の作成は、日本の株式会社が作成する事業報告に類似する制度と言える。
今回の規則改正により、取締役会報告書に記載すべき内容に、以下の内容が追加された※4。
インドでは、2013年から、セクシャル・ハラスメント防止法※5(「POSH Act」)が施行されている。同法は、職場における女性へのセクシャル・ハラスメントを禁止するとともに、その実効策として、各職場に内部告発委員会(Internal Complaints Committee、「ICC」)の設置義務を課し、また、内部告発の手続、使用者のセクハラ防止に向けた種々の義務を定めている。POSH Actの施行後、取締役会報告書には、ICCの設置状況に関する記載が求められるようになったが、今回の改正規則により、セクシャル・ハラスメントに関して、以下の項目を追加で開示することが義務付けられた。
インドでは、出産手当法※6が制定されており、一定の要件を満たす企業に対して、女性従業員への有給出産休暇の付与や、託児施設の設置等を義務付けている。従前は、同法の遵守状況は、取締役会報告書の記載事項ではなかったが、今回の規則改正により、同法の遵守状況を取締役会報告書に記載することが義務付けられた。
取締役会報告書の内容の一部は、登記局(Registrar of Companies)に提出する必要がある。下記3に記載のとおり、今回の規則改正により、取締役会報告書の提出フォームは電子化されたが、その電子フォームにおいて、事業年度末日時点の従業員数について、男性、女性、トランスジェンダーの3区分に分けて記載することが求められることになった。
インド法人は、定時株主総会の開催後30日以内に、財務諸表を、その添付書類と共に、登記局(Registrar of Companies)に提出する必要がある※7。今回公表された改正規則には、財務諸表、取締役会報告書及び監査報告書等の提出フォームが添付されており、これらのフォームを使用した電子提出が義務付けられることになった。
※1
Companies (Accounts) Rules, 2014
※2
Companies (Accounts) Second Amendment Rules, 2025
※3
会社法134条3項、Companies (Accounts) Rules, 2014 Rule 8
※4
但し、一定の小規模な企業は、この開示義務の対象外となる。
※5
The Sexual Harassment of Women at Workplace (Prevention, Prohibition and Redressal) Act, 2013
※6
The Maternity Benefit Act, 1961
※7
会社法137条。なお、上場会社は、財務諸表等を証券取引所にも提出する必要がある。
本ニュースレターは、各位のご参考のために一般的な情報を簡潔に提供することを目的としたものであり、当事務所の法的アドバイスを構成するものではありません。また見解に亘る部分は執筆者の個人的見解であり当事務所の見解ではありません。一般的情報としての性質上、法令の条文や出典の引用を意図的に省略している場合があります。個別具体的事案に係る問題については、必ず弁護士にご相談ください。
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